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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

ループ系人狼ゲームの比較感想

 グノーシアとレイジングループをプレイしたので、ループ系人狼ゲームとして共通点のある2つを比較しつつ、感想を述べたいと思います。致命的なネタバレは避けたものの、大まかな展開について触れている部分があるので、気になる方は注意してください。

・ゲームのカテゴリ
 似た要素を持ちつつも、カテゴリは違うと感じました。グノーシアは人狼シミュレーションが主体で、物語を楽しむ場合はSFみのあるADVになります。プレイヤーが実際に人狼を指摘したり、殺す人を選んだりして、人狼ゲームをクリアする必要があります。1回の人狼ゲームあたり15分くらいのサクサク進行です。
 レイジングループは最初から最後までADVです。推理をせずとも物語は進んでいきますが、1回のゲームが終わるまでに、プレイヤー視点では何時間かかかると思います。

・主人公の自我
 グノーシアではほぼなし、レイジングループは大いにあります。レイジングループの主人公はかなりアクが強く、語りに癖があるので、好みが分かれるかもしれません。

・世界観の作り込み
 グノーシアは、人狼ゲームをする理由となる大まかな枠を設定するのみで、その外側の世界はほぼ書き込みがありません。
 レイジングループは、何百年も前の歴史やら、その土地の神の話やら、民俗学的な世界設定が豊富です。その一方で、唐突に出たご都合主義の説明が本編ではなかったり、他作品のキャラが説明なしに怪しそうに登場するというような、引っかかりがあります。

・序盤の進行への感想
 グノーシアでは、最初から人狼ゲームが始まります。ルール説明があり、役職の追加はプレイヤーが慣れてからなので、人狼ゲーム自体に引っかかることはなさそうです。ただ、最初の方は、世界観やキャラは人狼ゲームを通してしか分からないので、表面的な理解に留まります。最終的には超絶面白い物語になるけれど、序盤にはその雰囲気がありません。周回して、休み時間にキャラと交流することで、どんどん愛着がわく作りなので、とりあえず最初はどんどん進めるのがおすすめです。
 レイジングループは、主人公が村を訪れて、色んな村人と会話をして、ようやく人狼ゲームが始まります。序盤は説明事項が多いのと、主人公の語りが独特でふざけているので、進めにくさを感じました。この語りは最後までそのままなので、合わないなら合わないままかもな、と思います。ゼロ年代のラノベキャラのノリみたいな会話というか、アッパーな戯言遣いみたいというか……。最終的には、こんなふざけた主人公しかたどり着けない結末になるので、スパイスとしてはよく効いているのですが……。嫌いじゃないです。

・最終的な感想
 グノーシアは人狼シミュレーションからADVに変わり、あるひとつの目的を果たすための物語になってからの引力が凄まじかったです。同じループ者との関係性や、何度もループを乗り越えて最適解に手を伸ばす過程に感動しました。イベント発生条件が厳しいので、攻略サイトを見ないと途中から進まなくなりました。キャラへの愛着が増したところで、色々な真実が明らかになるのも良かったです。キャラ萌え的な楽しみ方ができる人、SFやらループという言葉を見るだけで楽しめる人にはおすすめです。
 レイジングループは、主人公の癖や、過程が不足している気がするラブコメ要素、唐突な敵キャラの豹変などあったものの、最後には言葉で全てをねじ伏せる強ムーブが見れたので、あっぱれ!という感じでした。世界観が強固かつ伏線も張られていて(たまに異様に手抜きになるけど)、最終的な真相開示も丁寧に説明してくれるので、推理したい人にも雰囲気を楽しみたい人にも楽しめると思います。シナリオを書いた方のインタビューを見たところ、キャラより世界観にこだわる派のようです。きっちり決めた世界で、ダイスを転がしてキャラの動きを決めるTRPG的な物語作りをしているとのことでした。でも、キャラ好きなプレイヤーをもてなそうとする作りも多く、本編の後は暴露モード(キャラがその時本当はなにをかんがえていたのか分かる)があるらしいので、主人公の癖がハマれば、楽しめるのではないでしょうか。

 以上、二つのゲームを比較しつつ感想をまとめました。どちらも別の魅力がある良いゲームだと思います。お手ごろ価格かつ、Switchでできるので、まずはプレイしてみてください。

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