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人工的を通り越して人為的

匂い・薫りというものは古くから様々に利用されてきたと思う。
そして人の悩みのほとんどは人間関係の悩みだという。匂い・香りは、ヒトを人たらしめている人間関係の問題にも大きく関わっていると思う。

昨今の、匂い・香りを消す風潮、匂い・香りを匂い・香りで上書きする風潮の是非は、ひとまず置いておく。いずれにせよ、現代の多くの匂い・香りは人工的なものであって、自然の匂い・香りを感じようとすれば多かれ少なかれ能動的でなければならない。

"自然に"感じられる匂い・香りが人工的であるとは、逆説的であり皮肉である。

そしてその人工物としての匂い・香りには、生産者はもとより使用者の強い意志が備わっており、もはや何かしらの人為を感じる。初めは空気に“味付け”したに過ぎなかったただの匂いに、化学によって存在目的が与えられた。まるで、産業革命時代にはおよそ鉄の塊に過ぎなかった機械建造物の類いが、現代では意志を持つかのようなAIに進化した構図と似ている。

そう、現代の匂い・香りには存在目的があり、それを纏う人間にはゴリゴリの人為しかないのだ。

そして、それを良からぬことに利用しようとする輩がおり、時に僕は反発して嫌悪感を覚えるが、
好きになってしまうことだってあるのだ。強い人為に引き寄せられるように。


駄目だ駄目だ。

アカン、ダメ、絶対。
公共広告機構。