見出し画像

シロツメクサにて。

ふと思い立って、公園のシロツメクサのじゅうたんで大の字になった。腕の厚みがちょうど沈み込むくらいの草丈で、おおよそ全身がシロツメクサの中に収まった。

目をつむると、頭上の木漏れ日のキラキラがまぶたの薄い皮膚を透過して、眼球に届くのがわかった。

それでもなお疲れていたのだろう。その事を特に眩しいとは脳は認識せず、少しばかり眠ったようだった。

どれくらい経ったか、プイーンという音で僕は起き上がった。柔よく剛を制すが当てはまると言っていいかは分からないが、どんなに小さな羽音でも蚊はたちまちに眠りを妨げるから、ある種称賛に値する。

帰りに蚊取り線香を買って帰った。