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プーケットのハラダさん

2019年6月、妻の仕事の休みを利用してプーケットに遊びに行きました。

僕らは素潜りが好きなので、南に位置する綺麗で静かなラワイビーチ沿いのホテルを取りました。
5日間の滞在で海にはたくさん潜ったし、離島のラチャヤイ島でダイビングも堪能できました。

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食事は美味しいし人は穏やかで親切だし、良い休暇だったなぁ。

しかし、一番印象に残り、そして今でも気になるのがプーケットのハラダさんである。

ある朝、潮が引いた時を見計ってビーチ沿いを散歩していました(ラワイビーチを含めプーケットの海は満ち引きが大きい)。

すると、上手な日本語で声をかけてくる男性がいました。

見た目は完全にホームレス、いや、聞けば本当にホームレスなのだ。

流暢な日本語で、以前は日本にいたこと、妻と子供が日本にいること、ビザの都合で帰国せざるをえなかったこと、父親が亡くなった時の借金で家がなくなり、今はこのビーチで過ごしていることを話してくれました。

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詳しくは聞かなかったけれど、優しい表情の裏に悲しみが滲み出ている感じがありました。

少しだけ目に怒りのような感情も見えていたかも。
これは僕の見方なので本当のことは分からないけれど。

住処にしている場所の裏手には新しいホテルがまさに建設中でした。

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きっとプライベートビーチになる過程で、ハラダさんも居場所を変えなければいけないだろうと思います。

クーラーボックスにはたくさんの魚が入っていました。
大体朝にボートで漁に出るとのこと(ボートは父親の形見だそう)。

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食事には困らない様子だが、だから良いというわけでもない。

日本語を話せるから仕事もないわけでもなさそうだけど、だからってそうする方が良いわけでもない。

カウンセリングをしてて難しいと思うのは、助言やきっかけ作りと、個人の意志やタイミングの尊重のバランス。

行動に能動性と責任感をもたせて、最大限の自己効力感を得るためには、自らの選択と行動を待つ必要があります。

まぁ今はその話は良いのだけれど、ハラダさんは最後に近隣の島をガイドしてくれることを申し出てくれました。

その日は予定があったので明日の朝にまた戻ってくることを伝え、その日はお別れ。

次の日、同じ時間に行くとハラダさんは不在でした。
ボートもなかったので漁に出ていたのだと思います。

昼時になると潮が満ちてしまいビーチを渡っては会えなくなるため、ついに会うことはなかったけれど、今頃どこで何してるかな。

もしラワイビーチに行かれることがあれば、ぜひハラダさんを探してみてください。

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ちなみに、東南アジア圏ではよく見られることだけれど、プーケットでも子供たちが遅くまで外で遊んでいました。

この子たちをボーッと見ながら飲むChangが美味しかったなぁ。

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