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逆境に立ち向かう高齢者を育てる
鳥山明さんの訃報は、まさにその直撃世代と言える私にも大きなショックだった。
著名人が75歳「後期高齢者」というひとつのハードルを越えられず亡くなるケースについて、医師の富家孝先生が記事を書かれている。
後期高齢者になった私の実感から言うと、「75歳」を無事通過するためには、その10年前、いわゆる高齢者と呼ばれるようになる65歳、あるいはそれ以前からの努力が必要です。食生活、運動生活などを若い頃と大きく変える必要があります。
人は年を取って初めて「残りの人生、精いっぱい生きよう」という思います。しかし、年を取ってからでは遅いのです。多くの有名人と接してきた経験から言わせていただくと、才能ある有名人ほど生き方を変えようとしません。若いときと同じように生きようとするのです。残念です。
少し意見を異にする。
「努力」ではだめだ。
努力では続かない。
「身体のおもしろさ」「身体の可能性」に気づく必要がある。
私たちは“自衛”する必要がある。
外国が攻めてくるのではない。
日本の社会保障が瓦解に瀕しているのである。
社会制度に頼っていては、生き抜くことができない。
己が身ひとつで生きていく力をつけなければならない。
何しろ、「老人は集団自決すればいい」などとふざけた発言をする知識人が出てくるご時世だ。
自決を迫る輩が目の前に現れたら、返り討ちにする。
そんな老人をめざそうじゃないか。
本日は、高島平の高齢者サロンで指導を行なった。
その前段、急遽、警察による自転車安全講習会が差し込まれた。
自転車で一時停止せず、白バイに捕まり違反切符を切られたのが納得できないという話をした方がいたが…。
「納得できない」「警察が悪い」「行政が悪い」などと言っていられる間はまだ幸運なのだ。
板橋区内でも、自転車による重大事故が増えている。
自転車の重大事故の原因の7割が、自転車側のルール違反である。
今回の指導では「高齢者も自衛しなければならない」というテーマでやろうと思っていたが、ちょうどよい流れになった。
高齢者も、被害者にも加害者にもなる。
事故が起こってから「お前が悪い」「私は悪くない」などと言い合っても遅いのだ。
危機的な状況を迎えている社会保障を含め、高齢者も自分で自分の身を守らなければならない時代になっている。
事故ももちろんのこと、生き抜く上で生涯働き続けられるかどうかは、非常に重要なポイントになる。
後期高齢者になってから、新たに雇ってくれる職場はまずない。
であれば、何らかの方法で自分で「糧」を生み出すことができなければならない。
私も社会の改善に責任がある立場なので、そこは手を尽くす所存。
しかし、社会制度が改善されるのを待ってはいられない。
高齢者にとって過酷な時代がやってきている。
だが、悲観している暇はない。
逆境に立ち向かい、自分の人生を自らの力で切り拓く高齢者を一人でも多く育てたい。
これが、次期プロジェクト「武研門」のミッションのひとつである。
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