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3月7日 消防記念日

家の近くに消防署がある。消防署の前を通るときには、1階の車庫にある赤くて大きな消防車にいつも目を向ける。消防車は何台も並んでいて、美しい赤色だなぁと思う。小さな子どもがじっと見上げている姿があるときは、消防士さんとの思い出を思い出す。

子どもが幼い頃、消防署の前で歩みが止まったことがあった。消防署がある通りは大きな幹線道路で、歩道も広かった。その日は出動がなかったのだろう。消防士さんが数人ランニングをしていた。子どもは歩道の端に立ち、ランニングの様子をずっと見ていた。消防署の前だけを何往復もする消防士たち。彼らは黙々と走り続ける。20分が過ぎただろうか。子どもと目が合った1人が笑顔を向けてくれた。驚く子どものすぐ横を走り過ぎていく。子どもが歩き出し、消防署をあとにする。私が後ろを振り向くと、まだランニングは続いていた。

思えば、消防車はいつも磨かれたように光っていた。美しく光る赤色は私を安心させてくれる。

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