歌メリ・マリ「食べたい、痩せたい、女心」

マリ：いらっしゃいませ、漫才界の美食家、歌マリです

メリ：そして私が

マリ：歩く生ゴミ入れ歌メリです

メリ：生ゴミ入れて！

マリ：とにかく無茶苦茶食べますからね、この人の一回の食事が、バナナ十キロにジャガイモ二十キロ

メリ：私はゾウか！言うとくけど、私の朝食なんかコーヒー一杯だけよ

マリ：カップに一杯だけ？

メリ：洗面器やけどな

マリ：洗面器て！

メリ：でも皆さんはそんなに飲まないで下さいね、素人は胃わるしますよ

マリ：素人て！ほな玄人の胃袋てどんなんやねんな

メリ：鋼鉄で出来てるねん鋼鉄で

マリ：えらい胃袋やなぁ！でもメリちゃんが朝食とコーヒーだけで済ますて意外やね

メリ：食後のデザートに大盛りめし三杯はいくよ

マリ：食い過ぎや！

メリ：でも、昼は私の時計が三時になるまでは絶対食べませんからね

マリ：やっぱり気つこてるのやないの

メリ：そう、気つこて、私の時計いつも三時間進めてあるんです

マリ：やかましいわ！嫁入り前の女の子やったらちょっとぐらい、気つこて物を食べなさい

メリ：嫁入り前て、ほな私は嫁に行けると思てくれてるのやね、ありがとう、私、小づえ・みどりさんの芸は見習ろうても、行き遅れ人生だけは見習いたなかったのよ

マリ：怒られるで！とにかくちょっとは食べることに気を付けなさい

メリ：どう気つけるの？

マリ：痩せたいと思たら、糖分とかでんぷん質は絶対に食べないこと

メリ：気つけますね

マリ：タンパク質もとったらいかんよ

メリ：がんばります

マリ：あんたは水を飲んでも太る体質やから飲まん方がええ

メリ：・・・しかしね

マリ：空気吸うたらふくれるよ

メリ：死んでしまうがな！

マリ：ほな、お骨になってぜい肉無くなるやないの

メリ：アホな！

マリ：とにかく、食べたいと思う心を我慢するのよ

メリ：心は我慢してくれても、胃袋が我慢してくれへんねん

マリ：わかった、ほなあんた思い切って手術してもらい

メリ：どんな手術を？

マリ：胃袋を取り外して、食道から腸まで、ゴムホースでつないでもらお

メリ：アホな！

マリ：そやけどあんた、痩せたいのやろ

メリ：私かて女やから痩せたいねん、でも食べたいねん、わかるでしょ私と同じ体したそこの人

マリ：お客さん指さしな！わかったほなこうしなさい

メリ：どうするの？

マリ：何か大きな悩み事を作るのよ、悩み事が出来ると、人間てものを食べた無くなるやろ

メリ：あかんねん、私の体質は悩めば悩むほど食がすすむねん

マリ：なんちゅう体質や！

メリ：で、どんなことで悩めいうの？

マリ：失恋で悩むとか

メリ：あかんねん、私、失恋の悩みより、食べたい悩みの方が勝つねん

マリ：・・・あのね

メリ：言っとくけど、私、親が亡くなるより、親子丼が無くなる方が悲しなる体質よ

マリ：・・・

メリ：あんたとコンビ別れしても、コンビーフとは縁の切れん体質よ

マリ：えらい体質やなぁ

メリ：そやけど痩せたいのよ、でも食べたいねん、わかるでしょそこの人

マリ：指をさしな言うねん！わかった、ほな思いきりテーブルの上に料理を並べなさい

メリ：でもそんなん食べたら太るの違う

マリ：料理いうても、並べるのは皆なロウで作った見本の料理よ、それを並べて食べる格好だけして、食べたつもりになるのよ

メリ：それ私にとって地獄の責め苦違うか？

マリ：それを我慢するのよ、痩せたいのやろ

メリ：痩せたいのよ、でも食べたいねん

マリ：指さしなや！我慢してロウで作った料理で食べたつもりになること

メリ：私の体質では絶対に食べたつもりで我慢出来んと思うわ

マリ：ほなどうするいうの？

メリ：ロウで作った料理でも、私絶対にみな食べてしまうと思うわ

マリ：あかんわ！