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エルドレイン事始

authored by Shuhei Nakamura

※当記事を、事前の承諾無く複製・転載・加工・配布・再出版等することを禁止します。

(1)「エルドレインの王権」全体の印象

環境は中速推奨。コスト間でのクリーチャーサイズの変化があまり大きくないのが特色。

(1.2)土地(色)分配

・単色
・かなり片色寄せた14:3 or 13:4
・10:7 or 11:6

の3パターンが基本。コモンの土地サイクル(《ドワーフの鉱山》等)は主色の10枚目以降にのみ採用が可能で、3色目のタッチを検討するのは基本2枚のプレインズウォーカーのみ。低マナキャントリップ or 占術によって圧縮でき、高コストのカードも少なめなので土地16枚構築も相当頻度でありうる。

(1.3)カード・アーキタイプの強弱

ピックオーダーはとにかく除去優先。相手の4/4以上のサイズに対応できる確定除去と、後述のコンバットトリックに割り込める軽いインスタント除去には万金の価値がある。アンコモンクラスからようやく除去より優先させうるレベルのクリーチャーが現れ始めるという認識で問題はない。

ベストコモン5種は

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《パイ包み》
《魔法の眠り》
《焦熱の竜火》
《筋骨隆々》
《焼尽の連射》

ベストアンコモン5種は

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《厳格な者、コンラッド卿》
《フェアリーの荒らし屋》
《パンくずの道標》
《鋼爪の槍》
《滝の賢者》

色の強弱認識は

青>黒>赤>緑>白

個人的に強力だと感じているアーキタイプを順番に挙げていくと

1.青単
2.赤単
3.黒緑食物
4.黒赤騎士
5.青黒コントロール

弱いと感じているアーキタイプは

・青緑
・白緑
・白青

コモンのマナレシオは

2マナ 2/2-3/1
3マナ 2/3
4マナ 3/3+
5マナ 4/4相当

6マナ以降についてはクリーチャーとしてのみの役割でプレイアブルなコモンはほぼ《月明かりの掃除屋》のみで、ちょっと下駄を履かせて《チューインベイルのツリーフォーク》まで。飛行については3マナまではサイズ劣化がなく、4マナ以降に主にパワーが1相当下がるかといったところ。

画像3

ゲーム展開の特徴としては、クリーチャー戦闘が2マナから場合によっては4マナ域まで相打ちが頻発する。

序盤のマナ域では4がマジックナンバー。守る側としてはタフネス4以上、攻める側としてはそれを乗り越えれるパワー4、複数ブロックを強いるのであればパワー3で相打ちにならない4/4以上が中盤を支配するサイズとなる。

コモンの除去については

・白
《出し抜き》
《塔への閉じ込め》

・青
《魔法の眠り》
《極小》
《共に逃走》

・黒
《パイ包み》
《魂裂き》
《華やかな葬送》

・赤
《焦熱の竜火》
《焼尽の連射》
《投げ飛ばし》

・緑
《筋骨隆々》

・無色
《煮えたぎる大釜》


といったあたり。優秀ではあるが、大ぶりか条件が限定されるものが多い。無条件除去クラスはコストが高めで、一徹がついているものも多い。

総じてやはり低コスト帯にサイズ差が少なく、強い除去は重い。

(2)ミッドレンジ戦略の優位性

ここまでならば攻勢を維持しやすいアグロデッキが優勢かと思われるかもしれないが、自分のドラフト記録を見る限りでは低コストに高タフネスの壁役となるカードが多く、4/4以上へと繋がれつつ食物のライフゲインでアグロ側が挽回不可能となるゲーム展開、つまりはミッドレンジ戦略の方が優位だと考えている。

その要因になっているのが以下の3点。

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