「敷居が高い」

みなさん、こんにちは。NAKASHIです。

メンタルをボコボコにやられたり、新しいことに手をつけようと焚き付けられたりと私の方は忙しい日々ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

割とどうでもいい話かもしれませんが、今回はタイトルの言葉について少し書いてみましょう。

本当に「敷居が高い」?

男子大学生「気になってるあの子を叙々苑デートに誘う!?ムリムリ!敷居高すぎ!」

若手会社員「IT系のベンダー資格を取ろうと思うけど、難易度も受験料も敷居が高くて無理!」

…例えば、ですがこのような日常会話、週に一度くらいは耳にしませんか?

一部のみなさんには意外かもしれませんが、昔は私、日本語にウルサいイヤミな人間でした。今ですか?…どうでしょうね。逆にどうですか?

…閑話休題。

何を申し上げたいかというと「定義に照らしていえば」、上記のような「敷居が高い」という言葉は誤用なんですよね、ってことです。

「敷居が高い」とは

私が10年ほど前にあるラジオで耳にした話で、その後複数の辞書などでも確認した話なので間違いはないと思う話ですが…

「敷居が高い」とは本来、何らかの理由で一度組織などから離れた人間が、いわゆる「出戻り」のようにその組織へ再び戻る、ということに対して難しさを感じる場合に使う言葉です。

例えば、某大手芸能事務所から数年前に離れた某メンバーが、再びその事務所へ戻ろう、という話をしている場合(『もしも』、ですよ?)「あの事務所に戻ってあのグループでまたベースを弾くだなんて、敷居が高い…。」などのように使うのが本来の用法であり、先述の使い方は誤用である、とのことでした。

ちなみに冒頭での言い回しで使うのであれば「ハードルが高い」などの言葉が相応しいとされるようですね。

「正しい」が正解か?

とはいえ、です。

ここ10年ほどメディアや日常会話で言葉を耳にしていても、本来とは別の意味の「敷居が高い」という言葉を使っている方が多いこと多いこと…。

老若男女問わず、テレビやラジオでも、日常でも、ネット記事や雑誌のコラムなどでも、みーんな、本来の意味ではない「敷居が高い」という言葉を使っています。

個人的な感覚ですが、ここまできたら「誤用」ではなく「言葉の変化」として捉える視点をもってもいいのかな、という気持ちも芽生えてきます。

ドヤ顔で「その文脈で『敷居が高い』だなんて学がない奴だなぁ!俺程度には言葉知ってから出直してこい!」だなどとイヤミなことばかり考えていては人は離れるばかり。

多少の誤用や表現のズレがあっても、言葉の真意や話している当人の意図を汲み取れる懐の深さも身に付けたいなぁ、と感じたおっさんでした。

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