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オーラス羽月の6pと中島の147mの不思議な関係

成海有紗の立直に続き、またもやシンデレラファイトが南4局オーラスに物議を醸した。

この観戦記は基本的に対局者本人と一切コンタクトを取らずに書き上げているのだが、今回はあまりの反響の大きさに、羽月本人がブログで直々に事情を説明しているので、そこにリンクを張ることで形上かたちじょう取材ということにしておく。

このこと1つとっても、シンデレラファイトが大きな影響力を持ち、多くの麻雀ファンの耳目を集めていることが分かる。

羽月のブログを要約すると、羽月は加藤利奈の2m切り立直に対して
◆147mを本命と読んでおり
◆羽月の和了りに協力してくれそうな篠原から58pが鳴けず
◆なおかつ6pさえ通れば3枚持っている筋の3pも通せそうだから
打6pを決行したということだった。本人のブログにスクショがないので、下に貼っておく。

解説の綱川隆晃が「1mが危険と読んでいるとしか思えない」と言っていた通り、1mを抱えた羽月は見事それを重ね、69mの聴牌に取ると、のちに立直者の加藤から討ち取っている。

ところで、筆者はシンデレラファイトのみならず様々な放送対局を見ているのだが、つい先日見た日本プロ麻雀協会雀王戦E3リーグの対局の中で打2m立直の待ちが147mだったケースがあったのを思い出したので、その時のスクショを貼っておこう。シンデレラの写真じゃなくてごめんなさい。

中島由矩のツモ6p聴牌

羽月の1期後輩にあたる日本プロ麻雀協会20期の中島由矩は、上から打2m立直とし、4mをツモり裏ドラ3sを1枚乗せて2600オールの和了りとした。決して全ての打2m立直を147mと決めつけるわけではないが、こういうことが結構あるのだ。羽月が警戒したのもうなずける。シンデレラの写真じゃなくてごめんなさい。

中島由矩の打2m147m立直

余談だが、中島由矩は人生初の、そしておそらく人生最後の放送対局に臨むため、10kgのダイエットに挑戦したものの、8kgしか痩せることができずに、スーツがピチピチだったという。シンデレラの写真じゃなくてごめんなさい。

ピチピチスーツの中島由矩

また、羽月は南4局オーラス時点で十分な点棒を持っており、1回くらい放銃しても次局立て直せばOKという状態でもあった。南4局オーラスの打6pは、この局単体としてのリスクは大きいものの、半荘としてのリスクはさほど大きくなかったということなのかもしれない。

それではここから、羽月の和了ショー開幕である。トクとご覧あれ。

東1局を、協会先輩の篠原冴美と2軒聴牌でトップ目に立った羽月は東2局、配牌から役牌の中が暗刻だったことを生かし、1副露して嵌2mの聴牌を入れると、

下の通り暗刻だった2mを篠原から引き出すことに成功した。篠原としてもこの聴牌を2p単騎や3p単騎には取れない。打2m立直は極めて自然な選択だった。

続く東3局、羽月は8mのポンから入ると赤入りの5mも暗刻にし、

ガンガン行こうぜ作戦の協会先輩加藤から、嵌6pを討ち取る。嵌4pと嵌6pの選択もバッチリはまった形だ。タンヤオ・ドラ・赤の5800。

続く東3局1本場は、一転して立直での攻撃。5巡目まだ山にたっぷり残っている36sで先制立直をかけると、

ドラの西を暗刻に、当たり牌の6sを対子にした加藤から追撃立直を受けるものの、

最後はしなやかな手つきで3sをツモりあげ、2600は2700オール。他家に自分の麻雀をさせない盤石のゲーム回しだ。加藤としては、和了り牌である369pが羽月ではなく他家に流れてしまったのが痛恨だった。結果は大差でも、やはり麻雀は紙一重のゲームだと言える。

これを「爪痕を残す」と表現してもいいものかどうか、小倉ゆさと篠原も指をくわえて見ていたわけではなかった。

小倉会心の和了りは東3局2本場、ドラドラ赤赤の配牌をもらうと、役牌の發を仕掛けて加藤からの3pをとらえ8000は8600。

篠原会心の和了りは東4局、広い一向聴から7巡目に聴牌を入れると、47m立直を敢行し、見事一盃口となる高めの7mをツモ和了る。裏ドラを2枚乗せて立直・平和・ツモ・一盃口・赤・裏裏の3000/6000を鮮やかに決めてみせた。

4年前から出場している篠原には、「自らの成長した姿を、多くのファンに見てもらいたい」という強い思いがあった。

終始元気がなかった加藤が、初めて恵まれた配牌を手にできたのは、なんと南4局オーラスのことだった。

わずか4巡目に赤入りの平和25p立直を打ち、他家の足を止めてゆっくりツモりに行きたかったところ、冒頭にも書いた通り羽月に6pをプッシュされて和了り切られてしまった。

加藤の名誉のために書いておくが、加藤は後日行われた5月スリアロCSで決勝卓まで勝ち上がり、このシンデレラファイトの鬱憤を晴らした。ガンガン行こうぜ作戦は、諸刃の剣ということなのか。

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ファンからの厳しい質問箱にも余裕を持って答える、人間力が高い羽月さん。シンデレラファイト初戦トップでの通過、おめでとうございます。次も楽しみにしています。注目度の高い戦いで大変だと思いますが、頑張ってください。

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