第23期女流名人戦・中月裕子
女流プロのみならず、一般参加も含む約200人の出場選手の中から、見事決勝進出を勝ち取った4人のうち、3人が日本プロ麻雀協会所属ということで、ボクはちょっと前からこの女流名人戦にはアンテナを張ってた。
ところで、今回優勝した中月裕子さんの麻雀は、第20期・第21期女流雀王決定戦の時に公式から書かせていただいたことがある。
中月さんの獲得タイトルは、
◆第7回μレディースOP優勝
◆第16期新人王
◆第19期女流名人
と百花繚乱。ただ上記のタイトルは全て独身時代のもので、結婚・出産してからの女流雀王戦は思い通りの結果を残せてないので、中月さん本人としてはここらで一発大きな花火を打ち上げたいところかもしれない。
ちなみに中月さんが1番最近獲得したタイトルもこの女流名人戦で、4年前の19期決勝は、
◆愛内よしえさん
◆佐月麻理子さん
◆京杜なおプロ(RMU)
との2半荘となってる。中月さんは、「前回は自分が1番後輩で、他3人は先輩だったので、チャレンジャーの気持ちだった。でも今回は自分が1番先輩なので(後輩にタイトルを渡さないように)頑張りたい。」と言ってた。
今回の第23期女流名人戦決勝は2023年2月23日(木祝)に行われたんだけど、【2023年2月23日】【愛内よしえさん】といえば、愛内さんは同じ協会所属の菊地俊介さんとご結婚されたとのことだった。愛内さん、菊地さん、おめでとうございます。愛内さんのお父さん、楽しそうな方。ボクも家族の情報漏洩には気をつけます。情報解禁日はちゃんと守らなきゃね。
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3次本戦の通過順位で選手紹介すると、ちょうど収まりがいいかもしれない。
3次本戦1位通過、のだななこさん。日本プロ麻雀協会21期後期入会のルーキーで、麻雀そのものもまだ始めて2年ということだった。ウェルチャオで介護士として働いてるそうで、戦前インタビューの時に職場の同僚やおじいちゃん・おばあちゃんたちに笑顔で手を振ってたのが印象的な、多分Z世代。
3次本戦2位通過、りんのなおさん。
◆第7回フェニックスオープン優勝
◆第18期、第20期プロクイーン優勝
◆第20期新人王
プロ歴6年目で、今回6回目の優勝を目指す。…なんて言うと、数字に強い人はすぐ割り算をしちゃうかもしれない。りんのさんは「年1優勝する人」ってことになる。ちなみに決勝進出は今回が9回目とのことだった。今後も書くことになりそうな選手なので、今の時点で分かってることはまとめておこう。
3次本戦3位通過、青木麻衣プロ(最高位戦)。
協会と最高位戦とで所属が異なるものの、のださんと同期になるんじゃないか。最高位戦47期、2歳の娘さんをもつママ、かつOLもしてるそうで、このプロ雀士が何足目のワラジになるか分からないレベルのムカデプロだ。
3次本戦4位通過、プロ10年目の中月裕子さん。今年最高位戦を退会された福田征史プロと結婚し、出産。「気持ちは新人★」とは言うものの、本物の新人である青木プロや後輩のりんのさん・のださんには負けられないという思いだろう。
あとこれはホント個人的な感想なのでスルーしてもらって全然構わないんだけど、青木プロは女の子のお母さんで、中月さんは男の子のお母さんて感じがする。なんとなく。全体的な雰囲気で。だいたい。ホンノリ。
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全4回戦の中の2回戦が終わったポイント状況は下の通り。のだななこが1回戦を制してトータル2位につけ、りんのなおはノートップながら手堅くまとめて暫定首位に。中月裕子は△8.2ptのトータル3位となっていた。最高位戦ルールは、オカなし、順位点が10−30なので、20pt差以内なら1着順差ということになるのだが、中月が優勝するためには、首位のりんのと1着順差+1400点が必要となる。
中月にしてみれば、焦ったい展開が続いてストレスだったかもしれない。この3回戦、小さい和了りを重ねに重ねて、わずか4400点差のトップ目に立って南場の親番を迎えると、
ここから一気にギアチェンジ。
下家ののだがほしかった4mを重ねて雀頭にすると、1−4−7pの3面張で即立直を宣言。
のだも一発放銃こそ耐えたものの、なまじ手形が良かったばかりに1筋通したくて勝負し、放銃。立直・南に裏ドラが2枚乗って12000は12600となった。
さっきは先制の三面張立直だったが、今度は後手に回った下のゴツゴツした手を丁寧にまとめる。
自風の東を暗刻にし、両面の4−7p以外は仕掛けも利用するかと思われたが、
これが門前で聴牌する。待ちは、いったん辺7mに取ってから、ドラの8mをツモってチェンジ。
ドラ8mと1sのシャンポンに構えた。
一瞬【1sで9600】というふうにも見えたが、
結果は、中月にとっては僥倖の、立直の青木にしてみれば痛恨の、8mをつかんでしまい万事休す。12000は12900となった。中月の点棒はついに6万点を超え、ここからは最終4回戦を見据えたゲーム進行になる。できれば20pt以上離して、ライバルより1着順下でも優勝できるように、盤石にしておきたい。
トータル3位から、小さい手で小さいリードを築き、3回戦南場の親番で一気に突き放す。1・2回戦で先行されてもあわてず、騒がず。図らずも、戦前のインタビューで自らが語った「先輩としての麻雀」になっているのが頼もしい。横綱相撲と言い換えてもいいだろう。19期女流名人戦の時決勝卓を囲んだ愛内さん、佐月さん、京杜プロ、見てくれていますか。
結局勝敗には無関係だったものの、この中月に立ち向かったのだの麻雀も紹介したい。中月が
◆1300は1400オール
◆12000は12600
◆12000は12900
と積んだ、南3局4本場のことだった。
ドラの7sは79sというターツで持っていたのだは、絶好のツモ7sで聴牌すると、即立直をかける。トップ目の中月を直撃して着順をひっくり返すことまでは考えていなかっただろうが、
ツモって中月に親被りさせることは、頭にあったと思う。立直・一発・ツモ・タンヤオ・ピンフ・一盃口・ドラドラは倍満で4000/8000は4400/8400のツモ和了りとなった。
この時点で、まだ自分に優勝の可能性が残っているかどうかは分からない。でも、初めての決勝戦。南4局の親番も残っていることだし、今できることを精一杯やり切ろう。ウェルチャオのみんな、利用者のみなさん、見てくれていますか。今から麻雀を始めようと思ってる人たち、2年でここまで来ることもできますヨ。
スコア表だけを見れば、中月裕子の圧勝だったようにも映る。しかし、決勝卓につく四者が背負っている背景と、一摸一打にかける思いは、視聴者だけが味わえる特典だと思うのだ。
中月裕子さん、優勝おめでとうございます。ボクはリードしたらビビるタイプの人間なので、4回戦東場の勝負が特に勉強になりました。
りんのなおさん、のだななこさん、最高位戦の青木麻衣プロ、お疲れ様でした。素敵な対局をありがとうございました。
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