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第22期雀竜位決定戦12回戦こぼれ話【魂の47m】

【協会のビッグタイトル戦があった後に読みたいnote】ことアルパカnoteです。どうもどうも。まあ読みたいかどうかはみなさんが決めることであって、ボクがキャッチコピーにすることじゃないと思いますけどね。細かいことは、いいじゃあないですか。

観戦記は書いてからアップまでにラグがある関係で、現在の最新回は7回戦です。下にリンクを張りますので、他の回も含めてぜひご一読ください。

ちなみにリアルタイムでは、12回戦が書き上がって提出してあります。

ボクが担当した7回戦は秋瀬ちさとさんの国士無双が出た回で、当然それに焦点を合わせて構成しました。

話がアッチコッチに行くのはよくないので深く掘り下げては書きませんが、ボクは観戦記を3年書いてきて、最近スタイルチェンジを考えてるんですよ。しようとしてるんですよ。模索中なんですよ。

【見る雀】という言葉に代表されるような、麻雀ファンの方々が読んで面白いものにしたい。そのためには、事実の羅列だけでなく、選手の心の動きやそれに伴う表情の変化も描きたい。スクショ多めでお届けしたい。なんとなくですけど、スイッチャーさんもボクと同じ方向を向いてくれてるような感覚もあります。麻雀界はMリーグ以外の放送対局も全体的にMに近づいてんじゃないかな。

以下、常体で。

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今日の話は二部制になってる。してる。まずは一部。南1局0本場、真田槐さんの立直から見ていこう。

12回戦の公式観戦記は東4局0本場にスポットを当てて書いたので、この南1局0本場→南3局0本場の件はアルパカnoteに回したのだ。

斬り込むぞ メンタンピンで 真田さん

見ての通りのメンタンピン。高め一盃口。本当は二盃口を本命に考えてたところ、でも8pを暗刻で持って最悪タンヤオでも立直打つぞ、の手広い構え。からの、ツモ6pは平和がついてる分まあまあってトコか。

結果、第22期雀竜位を戴冠した真田さんが麻雀強者だってことは、今じゃあ誰もが知るところだ。まあボクはお前らより1ヶ月くらい前から知ってたけどな。これ、マウントな。

打点より ほしい和了りは タンヤオで

その立直を受けた直後の原田翔平さん。この原田さんが強いってことも、前出の真田さんと同じで、お前らまだあんま騒いでないけど、ボクのアンテナはしっかり反応してる。青いリトマス試験紙が赤色に変化してる。酸性賛成なんですね、ってやかましいわ。これもマウントな。

決定戦が終わってもう結果が出てるから言うけど、真田さんが輝いたのは、原田さんのお陰って側面もある。原田さんの類稀たぐいまれなる強さが、結果真田さんを引き立てたってワケ。スイカに塩ふるみたいな。柔道で言うと、山下泰裕と斉藤仁の関係性だ。分からないチビッコはググってみ。飛ぶぞ。

片割れが なくても勝負 ライバルと

そこに吉田知弘さんから追いかけ立直。47pの7pが4枚河に流れてるけど、そんなの関係ねぇ。トータル首位でこの12回戦3着目の真田さんが立直に来てる以上、ラス目の吉田さんは覚悟を決めて戦うしかないのだ。この吉田さんの選択もまた強者の証。ここで、4枚切れた7pの件を引き合いに出して、役なしダマとかモジモジやってる場合じゃない。アンダスタン?

ところで、ここで時間をちょっとだけ巻き戻して。トップ目の親番の秋瀬ちさとさんは、自風の東から仕掛け出し。

ダブ東じゃ なくてもポンだ ホンイツだ

2副露目となる5sチーしていったんドラのカン2s待ち→その後ツモ4sで25s待ちへと変化させ、高め12000の聴牌を入れる。真田さんへの当たり牌4mが、間に合ってるのも見逃せない。

アンパイを 持って仕掛ける トップ親

ところが、である。秋瀬さんは8巡目に逃がした47mをまた持って来ちゃう。お帰りなさいしちゃう。この7mは真田さんの高め8000になる放銃牌で、秋瀬さん自身の手牌が高め12000聴牌であることは前述した通りだ。

逃しても 再びつかむ 当たり牌

もしここに座ってるのがボクなら、7m放銃でこの局はアイナよりも先にジ・エンドなんだけど、秋瀬さんはしっかり我慢して4sを抜く。アキセ・ジ・エンドしない。

「チー」と言い 流れ淀ます テクニシャン

3着目真田さん・4着目吉田さんの二軒立直を全力でかわしたい、こちら2着目原田さん。タンヤオがつく方の4sをチーして聴牌を入れる。58s8mの変則三面張だ。別に打ち合わせしてるわけじゃないけど、我慢の秋瀬さんとチーテンの原田さんの協力プレイになってるところが面白い。そうそう、そうだよ。2人ともいいぞいいぞ。

我慢我慢… 47mは 我慢我慢…

サスガの原田さんもここまで考えたわけじゃないだろうけど、このチーがなんと、吉田さんがつかんで真田さんに放銃してたはずの4mを秋瀬さんに流しちゃう。これを秋瀬さんはビシッと止めて、この局はまたもやアイナ・ジ・エンドしない。なんてエキサイティングなんだ、強い人たちの麻雀は。

なぜ今日はアイナ・ジ・エンドが多いかっていうと、さっきまで見てたTV番組ラヴィットに出演してたからですけどどうでもいいですかそうですか。

「ゴットー」と 言いたいけれど 500/1000

最終的に原田さんが8mをツモって南1局0本場はハラダ・ジ・エンド。タンヤオ・ドラ1・ジ・エンドで点数はたったの500/1000・ジ・エンドだけど、濃密ないい1局・ジ・エンドだった。ABEMAのコメント欄でゴチャゴチャ言ってる人たちには、この辺のコクとか深みを味わってもらいたいんだよなぁ。

麻雀の 深みを知って 味わって

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さあ、ここから。ここからが第二部ですよ、みなさん。第一部で協力プレイからのやつがあって、南3局にまたもや真田さんが先制立直をかける。待ちは南1局と同じ47mだ。まずはここにロマンを感じながら読み進めてほしい。絶対面白いから。

魂の 47mを 今度こそ

さっきは両面待ちの片割れがなくても追いかけ立直に行った吉田さんだけど、今回は一向聴から降りを選択。12回戦のトップについてはオーラスの親番が残ってるし、トータル首位の真田さんは現状大きなラス目に沈んでるので、ここで息を吹き返されては困るってわけだ。

着落ちを 避けておきたい 3着目

「真打登場!」と煽ってもいいだろう。原田さんは4枚目の7mを持ってきて、大きく息を吐く。切る選択はないかもしれないけど、暗カンするかしないかは、今後を大きく左右しそうだ。

まず切りたい8pは真田さんが5巡目に打ってる5pの筋。だけど、期待したい147s受けの部分で、1sが振聴になってんだよなコレ。7mに6mをくっつけて58m受けのターツにするみたいなこともあるかもしれないけど、そうなったらどこを払っていくか。もちろん振聴を解消したいけど、23sや65sは真田さんに通るんだろうか。

振聴は 不利な聴牌 さていかに

原田さんの選択は、とりあえず7m暗カンせず。8pを河に流し、勝負を今後のツモに委ねた。麻雀てこういうトコあるよなあ。「ツモに聞く」って表現もあるもんなあ。

で、ツモに聞いた結果がコレ。集合写真の最前列でめっちゃ調子いいやつみたいに寝そべってる

■聴牌になる、
■そしてタンヤオがつく、
■さらに真田さんのロン牌である、

ツモ4mだ。

ボクのスクショは時系列に数字がふってあるので、この原田さんはツモ4mを持ってきた時の表情で間違いない。スイッチャーさん、ありがとうございます。これからも一緒にいい仕事しましょう。

振聴と どうつき合うか 思案中

真田さんにできることは、今は何もなく。これもまた麻雀だ。

早く出せ それが私の 和了り牌

「カン。」

原田さんが嶺上から掘り起こした牌に、ボクは心の底から痺れた。振聴を解消できるツモ5sだ。これはカッコいいぜ。そしてその後の選択にも。

嶺上で 頭痛の種が 消えて飛び

原田さんは、2sを勝負するものの、立直は宣言せず。待ち牌の47sは真田さんの現物ってわけじゃないけど、吉田さん・秋瀬さんを降ろして、真田さんと1on1になるようなアクションは取りたくないのだ。トップ目で打点は不要だし、この真田さんの親を落とすことができれば、原田さんは12回戦のトップが見えてくる。最高だ。最高の選択だよ、原田さん。

振聴を 消して忍んだ 47s

雀竜位決定戦は本当に面白い。

8分の 5は我が手中 和了り牌

いいか?

いいな?

これだけの壮大なフリがあっての…

漢・真田槐、魂の4mツモ。

『和了り牌なんて1枚あればそれでいい。』と言わんばかりの。

立直・ツモ・裏3は4000オール。

なんだこれ。

とてつもなくすごい。

映画化されていい。

どういうことなんだ麻雀。

いったい何を見せてくれてんだ麻雀。

ボクをどうしようってんだ麻雀。

からの…

真田さん1、

真田さん2、

真田さん3。

えー、様々な真田さんをご覧いただきました。

1番いいやつを使おうと思って3枚撮ったけど、結局本編に入れられなくてアルパカnote行きになってしまったスクショたち。このレベルのことが【こぼれ話】になっちゃうくらい、ドラマチックでダイナミックでファンタスティックな12回戦だった。

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ボクは石川県金沢市にある麻雀スタジアム・オリンピアというところで、毎週水曜日に【水曜大会】というのをやってます。

その出場者の方々に、少しでもこの雀竜位決定戦みたいな気持ちを味わってもらいたくて、このたび連盟の夏川夏未プロにお願いしてパネルを作ってもらいました。

プロが優勝した時に掲げるやつと同じ素材・サイズ

麻雀がますます盛り上がりますように。

最後になりましたが、第22期雀竜位を戴冠された真田槐さん、おめでとうございます!ボクが決定戦を心の底から楽しみ、真田さんの強さに感服したことは、このアルパカnoteで伝えることができたと思ってます。

そして、残念ながら雀竜位には届かなかったものの、面白い対局を作ってくださった秋瀬ちさとさん・吉田知弘さん・原田翔平さん・安藤弘樹さん、ありがとうございました。お疲れ様でした。第23期のA級でみなさんにご挨拶できるよう、ボクは今年の第23期雀竜位戦にエントリーします。

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