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これまでの担当客を当てにして美容室を開業すると失敗します。

■ なぜ、この場所に美容室を出店しようとしたのですか?

今まで勤めていたお店のお客様が来店できるように、前のお店から数キロの範囲で探しました。

実は、こんな理由で美容室の出店立地を決める方は多いです。

美容室は小商圏の来店型サービス業です。小商圏の来店型のお店に求められる「良い立地」には条件があります。これは美容室でも、理容店でも、飲食店でも、ドラッグストアでも、パン屋さんでも、マッサージ屋さんでも、みんな一緒です。大手は、当たり前のように原理原則に基づいて、出店エリアを決めています。

大手は、間違っても、前のお客様に来てもらえることを最優先の条件で立地を探したりはしません。

■ 気持ちは分かりますけどね。

 そりゃ、不安ですよね。これから自分のお店が成功する保証なんか無い訳ですし、オープンして数か月間の売上はどうするの?売上が安定するまでの間、生活はどうなるの?長年築き上げてきた信頼。お客様は私に切って欲しいと思っている。そんな関係性を無くすわけにはいかない。

だから、出店立地を選び優先条件が、前のお店から数キロ県内でお店を探す、という結果になるわけです。でも、ほとんどの場合は、出店すべき立地でなかったとしても、今までのお客様を優先するあまり、ダメな理由が分かっていたとしても、あのお客様に来て頂ければ何とかなると思ってしまうわけです。

■ みんなはどうしているの?

 ここ4年ほどで、当事務所で開業相談をさせて頂いた方は100サロンを超えますが、ほとんどのサロンで、オープン前からお付き合いしていたお客様よりも、オープン後に出会った新しいお客様の方が圧倒的に数が多い、という事実をお伝えします。だから、安心して、正しい立地を選んでください。これまでのお客様ももちろん大切なんですが、これから会うお客様はもっと大切なんです。

■ あなたのお店のことをだれも知りません。

 これまでのお客様を優先すると、オープン告知にも影響が出てきます。これまでのお客様に来て頂くため、予約を取りやすくするために、美容室のオープンで広告は出さないようにしよう。少し落ち着いてから、新規のチラシ、告知を出そうと思います。こんな方が多いです。

 これをするとどうなるか? 美容室というのは、商売の種類でいえば、事前告知が必要なサービス業になります。目の前に美容室があったら、ふらっとお店に入る、なんてことはしないですよね?事前告知というのは、予め、お店の存在をお客様に伝えておいて、そのお客様が髪の毛を切りたいな!って思った時に、そのお店のことを知っておいてもらったら、そのお客様が、私のお店を選んでくれる、ということです。美容室も事前告知が必要な商売になります。

 一回出したオープンチラシでお客様が来店して頂けるほど簡単ではない。何度も告知をし続けることで、そのお客様に覚えてもらい、その方が髪の毛を切りたいって思った時に初めて来店して頂けます。何度も告知することが大切です。

 オープンしたお店の商圏距離内に住んでいる人達は、あなたのお店の存在を全く知りません。たとえ、あなたがどんなに素晴らしい技術を持っていても、どれだけ多くの方の困り事を解決することが出来たとしても、お客様はあなたのお店に行くことが出来ません。それはなぜか?あなたがオープン告知をしなかったからです。しばらく経過してから告知をしても、告知の効果が出てくるには時間が必要です。オープン告知をしなかったサロンは、数か月間の間は売上が低迷してしまうことがあります。

■ お客様に私のお店を知ってもらうこと = 集客

例えこれまでの担当のお客様が来店して頂ける見込みであったとしても、これから出会うお客様の方が圧倒的に多くなります。あなたの素晴らしい技術、解決できる困り事を一人でも多くの人に知ってもらうこと。必ず生存する美容室を作るためには、ぜひ、知っておいていただきたい考え方です。

オープンチラシに、どんな情報を載せるのか?そんなことも大切になりますが、この内容は次回、ご案内致します。


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