美容室はなぜ看板で集客しないの? 『店舗デザインで集客するということ』

■ 美容室は何でもオシャレ?

美容室の看板、オシャレですよね?

オシャレすぎて、お店の名前が読めない、なんてことも珍しくありません。名前が読めないどころか、カフェと間違えられたりするお店もあったりします。もはや、美容室であることすら分からないという状態。

■ 美容室のお客様はどこからくるの?

 日本政策金融公庫が統計情報として『美容店に関する消費者意識と経営実態調査』なるものを公表しています。随分前の情報ですけど。この中に興味深い情報があります。

美容室を利用する際のきっかけは?というもので、

1.「自宅、職場、学校から近いので」(46.3%)
2.「家族、友人、知人から勧められて」(31.6%)
3.「お店の前を通りがかって」(16.2%)              とありまして、1と3は同じような理由になります。要するに、近いという理由でお店を利用する人は62.5%あります。

お客様がお店を選ぶ基準というには、ほとんどの人は「近い」という理由なんですね。

■ 「近く」のお客様を集客するための集客ツールといえば?

1)店舗外観と看板

2)手配りチラシ、ポスティング

3)折り込みチラシ 

4)地域雑誌

5)インターネット 

これは商圏エリアから見た集客ツールの順番です。つまり、上から順番にお店からの距離が近いほど効果が高い集客媒体となります。美容室だからとかではなく、来店型サービス業であれば、ほとんどが当てはまると思います。近くの人を最も効果的に集客するツールは、「店舗外観と看板」です。

美容室のお客様は、ほとんどは近くから来店されます。にも拘わらず、美容室の看板は分かりにくく、美容室であることすら分からない店舗デザイン、看板であることが多いです。

「オシャレさ」を優先するあまり、最も効果的な集客ツールである看板を使わずに、最も商圏距離の遠い人に効果のあるネット媒体に一生懸命にお金を使っています。

不思議ですよね。

■ なぜ、店舗デザイン、看板で集客しないのか?

答えはカンタンで、店舗デザイン、看板というのは、お店を設計する段階、つまり、施工業者を選定する時に決まってしまいます。「看板」で集客するというのは、そこに美容室がある、駐車場がある、どんな客層をターゲットにしているのか、価格はいくらなのか、そんな情報が分かりやすく掲載されている必要があります。要するに、看板としての機能を優先すれば「分かり易さ」が前面にでるので、当然、オシャレではない。

本屋さんの看板は? 「本」と書かれていませんか?酒屋さんんお看板は?「酒」と書かれていませんか?あなたのお店の名前は何か?ではなく、まずは商売の種類は何か?が書かれています。その下にちっちゃく名前が書かれていたりします。あなたのお店の名前には興味は無かったりします。極論かもしれませんが。

「なかしま税務労務事務所」には興味はないけど、「美容室専門税理士」には興味が湧く。こんなイメージでしょうか。

さて、店舗の施工をお願いする業者さんから、「分かり易い看板」が何の依頼もせずに提示されたらどう思います?

「ダサくね?舐めてんの?」となるわけです。施工会社さんもデザインのプロなわけなので、依頼者である美容師さんの感性に響く、とってもオシャレなデザインを提案する訳です。それを見た経営者である美容師さんも、「オシャレでいいですね!!」と反応してしまうわけです。

だから、近くの人を集客できる分かり易い店舗デザイン、看板というのは、依頼者である美容室経営者が、『集客できる看板でお願いします!』と依頼しない限り無理なんですね。

■ こんなところに美容室があったのね!

 美容室の創業支援の中には、店舗デザインで集客する提案もさせて頂いています。特に女性には、分かり易い看板のお話をすると、とても共感をして頂けます。やっぱり、普段からお買い物する立場での目線ですから、お客の立場の視点には慣れているのですね。

 10年以上前から営業していた美容室を居抜で入ったお客様。土地勘もなく、近隣サロンからのお客様の引継ぎもないため、新規集客を相当力を入れなければならない状態で、中嶋からの店舗デザイン、看板での集客をオープン段階から取り入れてくれました。10年以上前からそのお店は美容室であったにも拘わらず、「あら、こんなところに美容室があったのね!」って、看板を見て毎月5名程度来店して頂けます。ホットペッパービューティーでの集客はもちろん実施しますが、看板だけで、毎月5名前後の新規のお客様に来店頂ける。これほどありがたいことはありません。

分かりにくいお店を作って、高いお金を掛けて、一生懸命に集客している。なんだか、とってももったいないですよね。

■ まとめ

美容室を開業する人に知って欲しいことがたくさんあります。

看板集客は、告知の原則です。大手は当たり前のように知っていることです。知らないのは、中小企業だけ。これから美容室を開業しよう!って人にも是非、知って欲しい。

最近では、看板に美容室であることを分かり易く書いてくれるお客様も増えてきました。集客はカンタンではありません。お金も時間もかかります。だからこそ、少しでも有利な集客をするためにも、店舗デザイン、看板で、近くのお客様に来て頂けるお店作りをしていただきたいです。

なかしま税務労務事務所 税理士 中嶋政雄 社労士 中嶋有美     


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