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美容室の創業融資 お金が借りられる事業計画の作り方

◆美容師の独立は、創業融資が借りやすいって知っていましたか?

飲食店、学習塾、士業、美容室。この中だったら、一番融資が受けやすいのは、実は、美容室の独立です。その理由は、美容師としての資格と経験が評価されやすく、お店を作るための設備投資が必要で、お店をオープンした後の売上が現金回収である、という点です。

資格と経験という点で、税理士などの士業も同じな訳ですが、設備投資の額を客観的に評価することが難しく、例えば美容室のような1000万円近くの融資は大きすぎると判断されることが多いです。学習塾も同じような理由で、それほど大きな融資を受けることは難しかったりします。飲食店は、内装工事、厨房設備などの設備投資が大きくなることが一般的ですが、また、美容室と同じく売上を現金で回収するビジネスモデルではありますが、美容師との違いは、資格と経験を客観的に評価することが難しいという点が挙げられます。なので、美容師としての技術を磨き、店長などの役職を数年経験してきた人であれば、信用情報や自己資金に不足が無ければ、創業融資を受けることは実はそれほど難しくはないのです。

◆創業融資が受けられない人の特徴は?

創業融資が受けられない人というのはある特徴があります。どれだけ事業計画を綿密に考えていようが、借りられない人は何をしても借りられません。その特徴というのは、

カードローンなどの借入があり、今も返済をし続けている人は、創業融資を受けることはまず難しいです。ただ、自動車ローンや住宅ローンは関係ありません。住宅ローンについていえば、むしろ、住宅ローンが受けられる環境に以前あったということでプラスの評価を受ける事の方が多いです。

今現在、カードローンなどの借入がない人でも、クレジットカードの引き落としが出来なかった経験が頻繁にあるような方も、お金にルーズな人という評価をされ、融資が難しくなる傾向があります。ただし、カードローンや支払い不能の時期があったのが3年以上前のような場合は、今は正常な支払いを継続しているような状態であれば、ことさら問題視されるようなことはありません。

自分には信用情報に問題がなくても、配偶者がお店を経営しており借入金があるような場合は、その配偶者が経営するお店の状態や返済状況も融資判断に大きく左右されます。コロナ期に開業相談に来られた方は、案外、このパターンの方が多かったです。ご主人の経営する美容室の経営が芳しくなく、これ以上融資が受けられない為に、奥様が美容室を創業すると偽って相談に来られた、というケースが数件ありました。配偶者が何をしている人なのか?は必ずチェックされます。

◆金融機関がお金を貸したい人はどんな人なのか?

一言で言えば、お金を返すことができる人です。できるかどうかは将来の見通しになりますから、将来、お金を返すことの確実性がより高い人、ということになります。その確実性をどうやって評価するのか?それが、先ほどの美容師さんは創業融資が受けやすいという理由にあった美容師の資格と、独立までに磨き続けた技術と経験が大きな判断材料となります。美容師資格のない方の美容室の創業融資はまず受けられません。美容師としてキャリアが短すぎるのもやはり融資は厳しいです。個人的な経験としては25歳前後が1つの目安になります。26歳、27歳は普通に創業融資を受けて独立する方は多いです。

もう1つの確実性としては、この場所で、これくらの規模で美容室を出店すると、これくらいの利益が出るはずだ、という事業計画に合理的な根拠が持てるかどうか、です。これくらの売上が上がるはずという計画は根拠にはなりません。なぜなら、売上を決めるのはお客様であり、そもそも自分では決められないからです。これを裏付けるのが、今までの美容師としてのキャリアであり、どんな立地に出店するのか、どんな集客方法をとるのか、となりますが、金融機関の担当者が信憑性ある情報として受け取ってくれるのは、これまでの担当顧客の人数と、そのお客様がどれくらい引き継げる見込みなのか、という情報です。

売上計画の合理的な根拠を示すことはなかなか難しいのですが、実は売上よりも重要なのか経費です。先ほどの通り、売上は自分では決められずお客様が決める訳ですが、経費は自分で決めることが出来ます。

どんな場所に出店をするかで家賃が決まり、だれを何人採用するかで人件費が決まり、どんな広告媒体を使うかで広告費が決まり、どれくらいの内装工事、美容機材を購入するかで減価償却費が決まります。もっと分かりやすく言えば、ドコモの携帯にするのか、格安スマホにするかで、電話代が高いのか、安いのかが決まります。経費は自分で決められる訳です。だから、どの場所で、どれくらいの規模で出店をするのかが決まった時点で、出てく経費の金額が決まります。その上で、毎月の経費と、自分の必要な生活費と、毎月の借入金の返済の合計を上回る売上を上げることができれば、必ず返済ができる、ということになります。ここからが先ほどの売上の合理的な根拠で説明することになります。

私が出店しようとしているお店は、家賃はこれくらいで、広告費はこれくらい、人件費は最初は不要で、毎月のその他の経費はこれくらいになります。私に必要な生活費はこれくらいで、返済がこれくらい、これを実現するために、これくらいの売上が必要になりますが、これまでの経験と、この立地特性、これから考えている集客計画といけば、最低限、これくらいの売上が確保できると見込まれます、と、ここまで説明することができればOKです。売上だけを一生懸命に説明されるよりも、はるかに返済可能性は高く評価してもらうことが出来ます。

◆終わりに

どれだけ事業計画をしっかりと作り込んでも融資は受けられません。事業計画は大切なものですが、そこに書かれている数値にどれだけの根拠があるのかがとても大切です。客単価であったり、メニューであったり、私のこだわりであったり、1つ1つは大切なものであり、しっかりと考えて準備すべきものではありますが、融資が受けられる根拠は別に考えておく必要があるということです。ぜひ、お金を貸したくなるような根拠を持った美容師としてのキャリアと出店計画の準備をしてから創業融資の面談に挑んでください。

融資が受けやすくなる事業計画の立て方について、動画でもご紹介しております。ぜひ、チャンネル登録もお願いします!


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