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行列の出来るラーメン屋は良いお店?

行列の出来るラーメン屋、私も行きます。厳密には1つのお店しか行きません。大阪は中津の「輝」というお店です。ただ、行き過ぎて、この文章を書いている時点で、味が口の中に広がっています。この「輝」さんは、良いお店認定した上で、矛盾したことを今から書きます。

■ 行列の出来るお店って、なんで行列が出来てるの?

 とてもシンプルに考えると、客席数が少なすぎます。もしくは、オペレーションが追い付いていないから、お客が回らずにお客様をお待たせしてしまっています。これって、お客様にとって良いお店なのでしょうか?

 行列があると、とりあえず並ぶ習性を持っているのは私だけではないと思います。習性である以上は、この時点では不満はないのですが、この行列でそのまま待っていたら本当に買えるのか、食べられるのか、あとどれくらい時間がかかるのか、不安も無い訳ではありません。

 一度は行列に並んでも、その並んだことで得られた結果に、並んだ価値を見出せなくなると、たとえ、まあまあ美味しいラーメンであっても、並ぶことに抵抗を感じるようになります。

■ 行列があるということで、「気軽さ」を失ってしまう。

 そういえば、あのラーメン屋行こうかな、と考えた時、時計を見て、「でも、この時間だと並んでるよな、きっと」と、勝手な判断で、美味しいと分かっていて、食べたいと思っていても、行列に躊躇し、今日は、他のお店に行こう、ということになってしまいます。つまり、『気軽』には行けなくなってしまいます。

 それでも、気合と根性で行く!という人は一定数はいます。でも、ほとんどのお客様にとっては、一度は並んでも、次回からの気軽さを感じさせない結果になってしまいます。

■ 大手は分かっています。

 100円寿司のお店は、繁忙時間帯になると、恐ろしく混雑しています。それでも行きたいという動機(子供にせがまれる)がある場合だけ、あの恐ろしい混雑でも待つわけですが、普通なら、行きたくない。高いお寿司屋さんに行くのではなく、そもそもお寿司でなくても良い選択をしたりします。(もっとも、すでに100円寿司がお寿司屋さんではなくなっていますが)。だから、大手のお店は、混雑がお客様から見た「気軽さ、自由さ」を失わないように、予め予約ができる仕組みを積極的に取り入れています。

 居酒屋の大チェーンでは、行列ができないように客席数を大きくしています。大チェーンの居酒屋のメニューと、客席数は少ないけど、味にこだわった個人の居酒屋、どっちに行きたいですか?一部のお客は、こだわりのお店に行きたいと言います。でも、ほとんどのお客様は?ここでも、「気軽さ、自由さ」で、ほとんどのお客様は大手のチェーン店に流れます。

 「気軽さ」「自由さ」を持ったお店を作るのは、簡単ではありません。お金もいるし、仕組みを持っていなければならない。より、経営の原理原則が求められます。

■ 集客しまくっても、お客様を回せない状況であれば、結果としてクレームが生まれ、失客します。

 客席数10席しかないのに、大々的に広告を打ったり、ネットでお金を掛けて集客し、一時的でもお客様が殺到してしまうと、オペレーションが回らずに、品質の下限を切り、結果としてクレームになる。混雑した状況を見たお客様は次回のリピートをしなくなる。そんな悪循環にもなりかねません。

なにが言いたいのかというと、並ばずに食べたいということです。

それとともに、行列というのは、経営が上手く行っている証拠にはならないということです。

来月、大阪に行くので、また「輝」さんに行こう。

 

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