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あなたのお店は高いお店?それともお値打ちなお店?

ユニクロ、GU、シマムラと言えば、値段の安いイメージがありませんか?実際に安いかどうかは別として、このお店は「お値打ちだ」というイメージをほとんどの人が持っていると思います。どうしたら、この「お値打ち」なイメージが生まれているのか、価格と商品のバランスから考えてみます。

■ 本当に安いのか。

 ファストファッションの代表と言えば、ユニクロ、シマムラ、GU。これらのお店に共通するのは、価格がお値打ちであること。こんなイメージを持っている人が多いと思います。実際に買い物に行けば分かりやすが、特に、ユニクロは別に安いものがたくさん売られているという訳ではありません。現実には、それほど安い商品が売られているわけではなく、それでも、いまだ、お値打ち、というイメージを持たれています。その理由はどこから来ているのか、価格と商品の特徴から考えてみます。

■ 「お値打ち」なお店の特徴。

 とにかく、安い商品だけを売れば、『お値打ち』なお店というイメージが生まれるかと言えば、そうではありません。ただの「安い」お店になります。価格で求められるのは、「安さ」ではなく「お値打ち」であること。

 「お値打ち」なお店の特徴の1つは、お客様の買える価格の商品が豊富にあること。

 先ほどのファストファッションのお店の特徴は、例えば2000円のシャツの種類がたくさんあり、1万円のシャツは置いていません。もし、このお店に、500円、1000円、2000円、3000円、5000円、6000円、8000円、10000円のシャツが1種類づつ置いてあったら、お客はどう感じるか。お店としては、たくさんの価格帯の商品を販売していたとしても、予算4000円のお客から見たら、選択肢は500円、1000円、2000円、3000円の4つ。これ以上の値段のシャツは、対象から外れます。2000円のシャツがたくさん置いてあるお店であれば、4000円の予算の中で、2000円の価格帯で、たくさんの種類の中から選ぶことができ、2枚のシャツを買うことが出来ます。

 お客にとって、この違いはどんな感情を生むのかと言えば、前者は、安いものから高いものまであり、予算を超えた商品があれば、そのお店は高いお店というイメージがあり、豊富さも感じません。後者は、自分の予算の服が豊富にあるので、お値打ちで豊富さを感じます。つまり、お値打ちなイメージが生まれます。

■ お値打ちなイメージを生むための価格

 もう1つ、お値打ちなイメージを生むための価格政策があります。それは、価格の上限のカットです。ある一定以上の価格の商品を販売しないことで、そのお店の提供するサービス、販売する商品の値段のイメージを「お値打ち」に感じさせることが出来ます。先ほどの例でいえば、5000円以上はお店に置かない、と決めることで、500円から5000円の商品が売られているお店になり、2000円の商品が豊富にあるお店とも戦うことが出来るようになります。

■ 商品構成グラフで分かるお店の価格政策

 そのお店の品目数と価格をグラフにすることで、そのお店の特性を掴むことが出来ます。このグラフのことを商品構成グラフと言いますが、このグラフは、商品の「安さ」と「豊富さ」のイメージ図と言われています。商品構成グラフの仕組みが分かるようになると、競合店との価格政策で勝つこともできます。競合店との闘いにおいては、真っ先に値段を下げることは一番してはいけないことです。ほとんどの場合で失敗します。価格を下げて良いのは、商品構成グラフで明確な対策を考えてから、損益分岐点の2割切り下げを行うのが第一手順になります。こちらは、やや難しい話になりますので、今後、ご紹介します。ファストファッションのお店と、そうではない、アパレルのお店で、この商品構成グラフを作ってみると、明らかに価格政策の違いを見ることが出来ます。

■ くら寿司の価格政策、これは大丈夫?

 今日、久しぶりにくら寿司にランチに行きました。基本的には100円寿司のお店な訳ですが、200円のお勧めお寿司の品目もここ最近は増えて来ています。そして、なんと、680円のパフェを発見しました。

 先ほどの価格のイメージで見れば、680円のパフェが置いてある回転寿司屋さん、あなたの眼にはどう映るでしょうか?100円寿司のお店にしては、高い商品が1品目あるだけで、そのお店の価格のイメージはお値打ちさを失ってしまいます。

 価格の上限カットと、お客様の買える予算の商品を豊富に提供すること。お店の価格や客単価の設定をする際には、是非、参考にしてみてください。大手は、当たり前のように使っている価格政策です。大手のお店を見に行くととても勉強になりますよ。


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