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美容室の開業 自己資金はいつから準備すべきか?

2-1ー3 美容室創業融資編 自己資金とは


美容室専門税理士の中嶋です。
今回のテーマは、美容室の開業融資を受けるために必要となる自己資金は、いつから準備すべきかのか?についてお伝えします。

最初に結論をお伝えすると、今からです。

 いつか美容室を開業するぞ!と強く心に決めていなくてもいいんです。心に決めている人は、今から準備してください。独立するかどうかはまだわからないという人も、今から準備してください。今から準備することが、間違いなく将来、人生に選択肢を増やしてくれます。

 美容学校で講師をさせていただいて4年が経ちます。毎年学生に伝えていることは、今から毎月500円でも、1000円でも良いから、毎月、将来のためにお金を貯めてください、と伝えています。独立する、しないに関係なく、毎月コツコツとお金を貯めることで、将来の選択肢を大きく増やすことが出来るし、何よりも、自分の武器になる、ということを伝えています。

 そんな貯められるお金なんかねーよ!と言う学生もいますが、将来の創業融資の自己資金で大切なのは、金額の大きさではなく、コツコツ積み立ててきた事実が大事であることを伝えると、なんだかんだと貯金を始めてくれたりします。

〇自己資金とは
 創業融資を受ける際の自己資金は、その人がどれだけ美容室開業に対して準備してきたのか、の判断材料となります。公庫の融資面談で見られるのは、自己資金の金額の大きさではありません。そのお金をどうやって準備してきたのか?です。

〇年収は多くなくても大丈夫。
 独立をしようとしている人の年収はどれくらいだと思います?これまで200人以上の開業支援をさせていただきましたが、はっきり言って年齢が30代前後のわりに少ないと感じることが多いです。中には大手サロンの店舗責任者や役職を長年やっていた人は400万円から500万円ほどの年収の方もいますが、どちらかと言えば300万円前後の方が多いです。女性の方であれば、子育ての関係で働き方が制限されて年収が100万円前後の方もたくさんいます。これまで最も年収が高かった人は1500万円前後、最も少なかった方は、60万円ほどでした。
 でも、どれだけ年収があったとしても、日本政策金融公庫から創業融資で借りられる金額は同じです。年収が高いと融資が受けやすくなる、ということは全く関係ありません。年収が高くても自己資金が少ないと、その人は金遣いが荒いと判断される可能性もありますし、年収が低い人でも、自己資金がコツコツと貯めてきた人なら創業融資は受けられます。

〇創業融資の面談で必ず聞かれる質問があります。
「独立はいつごろから考え始めたのですか?」
創業融資の面談で必ず聞かれる質問です。この質問の意図は、開業に向けて、どれくらいの時間をかけて準備をしてきましたか?が聞かれています。
この質問にしっかりと答えられるかどうかは実はとても重要です。
美容師を目指した時から、今のお店で働き始めてから、具体的に考えたのは3年くらい前から、5年くらい前から、人それぞれの答え方がありますが、大切なのは、その期間の根拠です。年数を答えることは簡単ですが、その年数を証明できることの方がより重要です。
3年前からお金を貯めてきました、5年前からお金を貯めてきました、と言って、通帳を見せることが出来たら100点です。
3年前から開業を考えていました、と答えても、開業のためにお金が全く準備できていなければただの言葉だけで、残念ながら信頼は得られません。

〇自己資金はいつから準備すべきか?
働くお店の環境、必要な生活費の額によって、毎月貯められるお金の額はそれぞれ違いがあります。ただ、毎月のお金からコツコツと貯めたかどうかが重要です。大きな額である必要はありません。200万円の自己資金を1年で準備できる人はいません。100万円くらいなら中には準備できる人も言います。でも、多くの場合は1年以上の時間は必要かと思います。お勧めするのは、2年から1年半程度の時間をかけて開業のための準備資金を準備することをお勧めします。

〇終わりに
 一度、融資が受けられなかった人が、半年後に創業融資を受けることが出来ました。最初に融資が受けられなかった時の自己資金は50万円でした。自己資金が少なかったから融資が受けられなかったのではなく、このお金は自己資金ではなく、タンス預金だったからです。半年後に準備できた自己資金は150万円。この半年間の間に100万円のお金を準備しました。相当大変だったと思います。この100万円は、毎月の給与からコツコツと貯め続けたお金です。金額の大きさではなく、毎月積み立てた実績が融資が受けられた鍵となったのです。
 開業を決めた瞬間から、その証を作ってください。その証は簡単です。自分の通帳に貯金という形で独立の意思を刻み込んでください。

◎サロン開業アカデミーでは、美容室開業に関するノウハウを配信しています。公式ラインでも創業融資に関する情報を配信しています。




 

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