地方インフラが弱体化し、地方の過疎化が進む原因のお話。

とあるところに4階建てのマンションがありました。

元々各階には10人ずつ住んでいて、マンション全体としては40人の居住者がいました。

マンションにはエレベーターがありました。

エレベーター含めマンション全体の維持のため、住人たちは平等に共益費を負担していました。

ある日、一階に住むある住人がこう言いました。

「エレベーターの維持費は受益者負担にしないと不公平だ!」

つまり、一階に住む彼はほとんどエレベーターを使うことはないので、その維持費の分まで負担するのは嫌だと言い始めたのです。

彼の理屈はこうです。

エレベーターを使う受益者はこうである。
1階~2階の間は2階以上に住む30人。
2階~3階の間は3階以上に住む20人。
3階~4階の間は4階に住む10人。

現在エレベーターの維持費は年間18万円かかっていて、それを住民40人が4500円ずつ負担しているが、受益者負担に変更して、

1階~2階部分は、2階以上に住む30人で負担、つまり、ひとり2000円。
2階~3階部分は、3階以上に住む20人で負担、
つまり、ひとり3000円。
3階~4階部分は、4階に住む10人で負担、つまり、ひとり6000円。
4階に住む者は一番エレベーターを多く使ってるのだから応分の負担をすべきである!

その日から、4階の住人はひとり4500円の負担から11000円の増額負担することになりました。

最上階はすっかり住みにくくなってしまい、住人がひとり去りふたり去り、、、住人が減れば負担額は更に増えてしまいます。

1階の住人は、4階の住人に言います。
「4階の魅力をもっと宣伝して住人を増やしなさい」「そんな努力もしないのは怠けてる」

しかし、結局4階の住人は全ていなくなってしまい、エレベーターは3階までしか動かさなくなりました。

エレベーターの稼働は3分の2になりましたが、維持費は思ったほど減りませんでした。

今度は3階の住人が悲鳴を上げます。そして、やがて3階にも誰も住まなくなりました。

最終的に、そのマンションには一階にしか住人はいなくなり。二階より上は廃墟になってしまいましたとさ。

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