見出し画像

2020年 37冊目『天皇の影法師』


猪瀬直樹さんの処女作だそうです。
たくさんの情報を集めて整理して分かりやすく読者に伝えた本です。



大正天皇が崩御されて、新元号である「昭和」が発表されるまで2時間40分(という長い時間)がかかりました。

その前に、新元号は「光文」であるとある新聞が号外を出したのです。

この2時間40分の間に、「光文」と出たので「昭和」に変えたのではないかという話が関係者の間でまことしやかに話されていました。

ちなみに、その時間内に「上治」を検討したという話もあるそうです。
猪瀬さんは、関係者の日記や、インタビューなどを丁寧に行い、その真実に迫るのです。

また、結果として誤報の号外を出して責任を取った貴社のその後も追いかけます。

これらにより、歴史の裏側の真実に、更に人の人生が重なり、深みが出ます。

また、メインの話とは直接関係なのですが、森鴎外が晩年に元号を調べている事も出てきます。それによると「明治」は江戸時代だけでも8回元号候補になり選ばれなかったそうです。

綿密な調査をベースに書いた本で、迫力がありますね。

誰か友人に紹介してもらったのですが、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?