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2022年 95冊目『チームワーキング』

立教大学の中原教授に今度中尾塾でお話し頂きます。
その際の課題図書にしました。

いやー面白い本でした。
まずチームワーキング。

「チーム」に「ワーキング:物事がダイナミックに、常に動いている状態」を付け加えたキーワードです。

チームワーキングの状態とは

1)チームメンバー全員参加で、
2)チーム全体の動きを俯瞰的に見つめ、
3)相互の行動に配慮し合いながら、

目標に向けてダイナミックに変化し続けながら、成果創出をめざすチームの状態

成果が出ないチームは

1)1人のリーダーだけがチーム全体の事を考え
2)リーダーが中心となってチームの目標と各自の役割を設定し
3)それ以外のメンバーはお互いの役割や仕事の状況にはさして関心を示さず、自分に与えられた役割をただ黙々とこなしている

優秀なリーダー1人がいれば何とかなるのではなくて
チーム全員の賢い振る舞いこそが、チームの成果の成否を決めます。

この本のエッセンスは、著者の感覚ではなく統計データから導き出したものだというのが類書との大きな違いですね。

で、成果の出るチームワーキングできているチームは次の3つの視点と3つの行動原理を持っているというのです

3つの視点
1 チーム視点:Team View
チームメンバー個々人が「チームの全体像」を常に捉える視点を持つこと「私」「あなた(たち)」の視点だけではなく、「私たち」は何を目指しているか?

「私たち」は何をしているのか?を考える。

2 全員リーダ視点

 機会があれば全員がリーダーになるという前提で、当事者意識を持ってチーム活動に貢献する

≒シェアド・リーダーシップ
つまり、場面、場面でリーダとフォロワーが入れ替わる

3 動的視点←最も重要
チームを動き続ける、変わり続けるものとして捉える
~ing思考を持ち、変化を捉えながら自分自身も行動を変えていく

3つの行動原理

1 Goal Holding:目標を握り続ける
Goal設定するだけではなく、メンバー全員が目標を握っている状態を維持
環境や状況が変わった場合でも目標を確認し続ける!

 データによると

 高成果チーム群の初期→最終の目標コミットは
 87%→93%

 低成果チーム群は
 82%→57%

 やる気のないメンバーは高成果チーム群にもいるが
 低成果チーム群に多い(両方とも後になると増える)

 高 20%→23%
 低 56%→59%

 同じく高成果チーム群は低成果チーム群と比較して
 目標に立ち戻り、目標を見直す割合が高い

 Task Working:動きながら課題を探し続ける

 解くべき課題を仮決めし、振返り、修正し、継続する
 アクションしながら課題の精度を高めていく

 1問題が何かを定義し
 2問題を構成している課題を洗い出し
 3課題の中で解く必要がある課題と特定する

 データによると

 高成果チーム群の初期→最終の綿密な計画は
 67%→88%

 低成果チーム群は
 51%→64%

 高成果チーム群の初期→最終の全員アクション
 74%→83%

 低成果チーム群は
 64%→62%

 高成果チーム群の初期→最終のリフレクション
 76%→78%

 低成果チーム群は
 64%→49%

 低成果チーム群では
 緊張感が低く、みなに同調してさぼっている

 ※優秀な人がいるのでよりかかる割合は同じくらい

3 Feedbacking:相互にフィードバックし続ける

 チーム全体で相互に何を感じているのかを相互に伝え合う

 ≒製造業のすり合わせ力

 高成果チーム群の初期→最終の相互フィーフィードバック
 70%→78%

 低成果チーム群は
 72%→36%

 ※できない、しにくい、意味が無い、間に合わない、面倒くさい

 仲良し→個業化→ブラックボックス→チーム視点喪失→コケる

 高成果チーム群の初期→最終の仲良くすることの目的化
 30%→23%

 低成果チーム群は
 38%→54%

3つの行動原理はG-POP版GCで実施している事とまさに一致していますね。

データでも成果が出る理由が分かり、嬉しいです。

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