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2021年 99冊目『上達論』


著者のおひとり方条遼雨さんにお会いする機会があったので、手に取りました。

武術の本なのですが、想像以上に面白く役立つ本でした。

お会いしたのはEMSのイベントだったのですが、ちょうど 方条さんが1人のタイミングがあり、10分以上2人で話せました。
※この手のパーティは苦手なのですが、行って良かったです。

この本は武術の探究者である甲野善紀さんを方条さんが観察して、上達について書かれた本です。

甲野さんは1から独自の理論と稽古法を効率して、一流の格闘家からも踊られる技を身に着けた方です。

そして方条さんも一流の武術家。
一流が探究者を観察して、本にしたいという事です。

甲野さんは、方条さんが見た上達本だということで内容に口を挟まなかったそうです。
流石違いますね。

帯に「まず基本を身につけよう」
このこと版い呪縛されて、どれだけ多くの才能が芽を吹かずに枯れていったか
とあります。

この話の例として
素振り何百回を繰り返しても、どうして大切で、どの部分がどのように大切なのかを把握せずにやると「初心者のようなベテラン」ができると書いています。

これを甲野さんは「下手を植え付ける」と言っているそうです。

そして特定分野に熱心に取り組んだ人ほど習得が遅いとも言います。
特定の動きを身につけた経験が、未知の世界に対する対応力や習得の障害になることがあるそうです。

甲野さんの武術には、基本の代わりに
原則と原理があります。

原則は変わらないもの、原理は複数の技を横断して運用されるとあります。
原則とは、秩序や共通点の事です。
 
「ねじらず」「うねらず」「ためず」「蹴らず」がこれに当たります。
象徴的原則としては「不安定の使いこなし」があります。
膝抜きが例として挙がっています。
片腕を両腕でつかまれた場合。

相手をねじ伏せたくなりますが、持たれた腕を持たれた状態のママで膝抜きで、全身を一気に落下させるのです。

すると腕力ではなく、体重の落下という重力により、相手はこちらの落下に巻き込まれ、うまく使うと、あっけなく崩れていくのです。

頭を前に出すと、何もしないでも足が前に出てきます。これも「不安定の使いこなし」の事例です。

1つ1つの事例がなるほどって感じなのです。
ものの理に適っているのです。

目次がかなりユニークです。
300Pの本で目次の見出しで100以上あるのです。

最初は、なんじゃこれって思うのですが、一度読んでから再度目次を読むとなるほどって思います。

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