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2022年2冊目『観察力の鍛え方』


松岡正剛さんの塾に通っています。
佐渡島さんは、そこの参加者でもあります。

『東大受験のドラゴン桜』
『宇宙飛行士の兄弟のドラゴン桜』
『素敵な男女のすれ違いのマチネの終わりに』

どれも佐渡島さんが編集者。
この本、良いよとTTPS勉強会かいわいでも話題になっていた。
ということで読むでしょうってことで手に取りました。

佐渡島さんがいい観察と悪い観察について書いている。
いい観察は、ある主体が物事に対して仮説をもちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。
悪い観察は、仮説と物事の状態に差が無いと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まる。

観察は、問いと仮説の無限ループを生み出すもので、その無限ループ自体が楽しいものである。
観察は、自分で見つけてしまったがゆえに解きたくなる「問い」とセットでモチベーションになりえる。

佐渡島さんのアプローチが面白い。
どうすれば良い観察ができるのか?ではなく、そうすれば悪い観察を割けられるのか?を考えることから始めている。
認知バイアスが、観察を阻害する。
そして身体、感情が観察を阻害する。

3つめがコンテクスト。
→この3つを佐渡島さんはメガネと呼んでいる。
自分が(自分特有の)メガネをかけて、観察をしているというところから
スタートすることを言っている。
これを知っただけでも、この本を読む価値があると思う。
このメガネをかけかえれば良いと言っている。

そして、順番は、問い→仮説→観察だと言っている。
型についても触れている。
佐渡島さんは、多くのヒット作品を出している。
物語については古くはアリストテレスが書いている。
現在では、テキストマイニングで読者の感情曲線で7つに分類している。

① ブッカーの喜劇:低→高→普→高
② ブッカーの悲劇:高→高→低→低(受け入れる)
③ シンデレラストーリ:普→高→低→普
④ 再生型・逆シンデレラ:高→低→高→低
⑤ 旅と帰還:普→低→高→低→普
⑥ 探求型:低→高→高→低
⑦ モンスター退治:高→低→高→普

物語=物語の型×自分の記憶(体験)←これが個性

バイアスは全てが悪いわけではなく
佐渡島さんが成功したのは
確証バイアス→仮説を補強する状況ばかりが目に入り、集中できる
→人の意見にも左右されない

悪いのもある
同調バイアスやハロー効果、生存者バイアス
これらを避けて現実を見ながらワクワクできるかが重要だという。

その他、感情のコントロールや関係性を図る尺度であるFFS理論についても言及している。
あいまいのススメもおもしろい。
自分自身が考えている事と重なっている部分が多いので、とても気持ちよく読める本でした。
観察を深めたい人に、お勧めです。


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