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2020年 72冊目『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

衝撃的な本です。
ほぼ同世代の樋口耕太郎さんという方が書かれた本です。


2004年に沖縄のサンマリーナホテルを取得し、再生されました。
沖縄大学の准教授でもあります。
沖縄経済同友会常任幹事でもあります。

16年ほど沖縄にいて、もしかしたら沖縄の方を敵に回すかもしれない内容を書かれたのです。

ざっくりいうと、日本の縮図が沖縄で起きている。
問題への対処療法をし続けている。

正しい問いを立てて、それに対応しないので解決しないというのが論旨です。
・対処療法(困っている人にお金を渡す)の問題点
→対処療法は症状を和らげる
→貧困を目にしたら資金援助したくなるのは人情
→対処療法は評価される→票につながる
→対症療法は分かりやすい

対処療法に反対する理由が存在しない
※地場のアルコールメーカを守るための補助金は、大手企業を大きく潤わせて、地場メーカはギリギリの状況。
大手も補助金があるので、商品開発する理由が存在せず、県外では勝てない。

・沖縄の従業員の所得が低いのは、沖縄の経営者が給料を十分に支払わないから。

・一方の従業員も生産性を高めるために頑張るリーダを有難迷惑だと感じる
→経営者がそれを分かっているので生産性を上げようとしない
→結果として従業員に高い給料を支払おうと思わない
→従業員は収入を高めることを重要視して(でき)ないし、能力開発や環境
改善をする意欲に乏しい。不都合な環境でも、現状維持を望みがち
→従業員が昇給を避け、消費者が無批判に同じものを買い続ける=現状維持を強く望む

・沖縄の人はクラクションを鳴らさない
→優しい部分もあるが、鳴らす=怖い人というレッテルを貼られるのを避ける。
→他と違う事を避ける傾向が極めて強い
※日本全体がその傾向があるが、更に強い

・なんくるないさの副作用
→本来は、人事を尽くして天命を待つという素晴らしい意味
→何もしなくてもOKだという意味でつかわれることが多い
→嫌な誘いにも、(自分の心に麻酔を打ち)断らない
・自尊心を高めることが課題解決の重要ポイント
→自分はありのままで愛される価値があると信じられる状態にする(教育からか)

この方は、上述のホテルの改革で、従業員の自尊心を高めることで成功されている。
→つまり経営者が変わる事で、会社が変わり、沖縄も変わる可能性を感じている。
→私は、沖縄の会社向けに2回講演をした経験があるけれど、その会社はそんな感じだった。

沖縄の人はどう感じるのか?
嫌なことを真正面から書いている気もする。

もしかしたらピント外れな気もする。

ただ、自尊心を高める(Diversity & Inclusionに近いと感じている)のはとても重要だと信じています。

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