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2020年 73冊目『満足の文化』

いやー考えさせられる本でした。


読むのが難しい本なのですが、ざっくりいうと豊かな社会を実現した先進資本主義では、政財官学が一体となり、豊かな人々の満足度を高めるために政治が行われるのです。

豊かな人に対して減税がOKになるのは、実際に起きないトリクルダウンで他の人も恩恵を得られるよというまやかしに加えて、豊かな人を増税すると次はあなた方が増税されるのだという強迫観念があったりするからなのです。

結果、政治家たちは、選挙で勝つために、そして結果、超富裕層を更に富ませる事になるのです。

豊かな人を更に潤わせる規制緩和や金融の自由化が急務となり、増税につながる福祉の充実や財政再建は放置されるのです。

経済学は、トリクルダウン仮説、マネタリズム、サプライサイドエコノミーなどで政策に正当性を与え、その恩恵が国民全体に及ぶかのように洗脳します。

こうして選挙では低所得者層の叫びはかき消され、彼らは選挙に行かないようになり、経済格差は固定化、拡大していくのです。

実は30年前の本なのですが、今のままだと抜け出しようが無いのです。
というのが結論でした。

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