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2020年 23冊目『シンニホン』

もう手に取られて読まれた方も多いかもしれません。
25万部売れたイシューから始めよの著者の安宅 和人さんが9年ぶりに書かれた本です。


面白くないわけがありません。
ぜひ手に取ってください。

自分でも購入したのですが、献本いただきました。
1冊は安宅さんからの要望通り20代のしかるべき人にプレゼントします。

安宅さんとは経産省の新産業構造委員会の委員でご一緒しました。
委員の方々とバンガロール、シンガポール、深センの視察にもご一緒しました。

バンガロールに半周、シンガポールに1周、深センには2周以上遅れているとう感想を持ったのを覚えています。

AIが仕事を奪うという論調の時も、歴史からAIの特性から仕事の因数分解から、そのような事は起きないと議論できました。

ワークスにいる時には、テクノロジーの未来についてコメントも頂きました。
前置きが長くなりました。
さてシンニホン。




3年ほど前の上述の経産省の委員会で安宅さんがシンニホンのプレゼンをされたのが、この本の内容との出会いでした。
強烈な印象でした。

データと処理能力とそれを使う人材の3つの観点で、日本が米中にどれくらい負けているのかを数字で説明されました。

AIの戦いの第一フェーズは勝負がついていて、日本は負けている。
そして、第二フェーズこそ、日本が得意で、ここからならまだ巻き返せる。

そして、それを実現するためには、上記のAIを使う人材と彼らが使うマシンに、 国の予算の使い道を数パーセント変化、投資することで実現するという分かりやすいストーリでした。

今回は、それに更に詳細なデータを集めて説明してくれています。

メモしておくべきだなと思った内容を残しておきます。

貯金
・単身世帯を除く全世帯の3分の1が貯金がない
(1980年代は数パーセント、1960年代が20%、1950年代の水準)

・正社員と非正規賃金の差が大きい 36%
(ヨーロッパは45%くらい、アメリカが23%)

・1割強が最低賃金で働いている

・このままでいくと2035年には半数の世帯の貯金がゼロ
→世帯所得と学歴には相関がある。
→ここを支援する必要がある。

生産性
・日本の生産性は低い。だから伸びしろがある

AI×データ戦争
・データ量×処理能力×人材
→先進国の10分の1程度

・事業成長の7割は、市場で説明可能
→AI×データ分野を強化しない理由はない

・第一の戦争では負けている。これ以降が勝負

・サイエンス力とビジネス力が重要
 全体観、分析とは何か、どうやって価値を生み出すかの肌感覚が必要
 ナマの体験、気づく力が重要

良いマネジメント
・ゴール設定
・良い仕事
・人材調達・育成
・アサインメント

異人
・ある人が周囲と歩調があっていなければ、その人は別の太鼓の音を聞いている

運根勘チャーム
・人として魅力的であろう
海外の大学の研究費が多いのは企業寄付だという誤解

・学校に支援してもらった個人が成功して寄付

・運用益
 等が圧倒的に大きい
国の予算の配分を数パーセント変えれば準備できる

・予算が無いの誤解
→数値で説明済
憲法25条の存在

・シニアの予算を減らして若者に投資するのは憲法違反という解釈が可能?

風の谷と菊の花
・安宅さん達が考える現在の都市作りの代替案
。現在のエネルギー使用量からどうすれば地球が維持できるようになるかを提言
・類似のものはあるが、その進め方にリアリティがある

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