農の考察 #3 不耕起について

不耕起を試している

試験的に不耕起栽培を始めて今年でおそらく4年目に突入する。不耕起の畑では将来的に化学肥料なしで納得できるトウモロコシを収穫するのを目標として試行錯誤している。
初めの1~2年はただトラクターで耕耘しないだけでとりあえずトウモロコシの苗を植えたが、草の処理が追いつかずに上手くいかなかったような気がする。ココらへんの記憶はもうおぼろげである。 
その後は草をどう抑えるかと水やりが追いつかないことが課題となり、打開策を求めてネットの海を彷徨っていた。
するとアメリカでは不耕起栽培のトウモロコシが結構広がっているらしく、不耕起と緑肥を組み合わせているようだった。
自分も緑肥を組み合わせてやってみることにした。

緑肥を組み合わせるメリット

緑肥を組み合わせることのメリットとして、
・リビングマルチとして雑草抑制
・リビングマルチとして水分の蒸発抑制
・有機物の供給
・土壌の風化、流出の防止
などといろいろあり、特に上2つの効果が自分の抱えている問題に対する特効薬となるのではないかと思えた。

早速緑肥を播いてみる

緑肥の種をネットで注文し、10月の晩夏頃に種をばらまく形で種を播いた。
緑肥の種類については、イネ科のものとマメ科の緑肥を数種類ずつ混ぜて種を播いた。というのも、緑肥の種類が多くなるほど生産量が増加したという報告があるためだ。イネ科はイタリアンライグラスとえん麦、マメ科はクローバーとヘアリーベッチを混ぜた。
しばらくすると発芽してきたが、マメ科の芽があまりみえない。イネ科緑肥調子良く発芽している。ばらまいただけでは発芽条件が悪かったのか。覆土が必要なのかもしれない。そりゃ溝掘って覆土するのが一番いいのはわかるけど、ちょっと面倒だ。

冬越し

秋に芽が出て冬越しをする。石川県は冬になるとそれなりに雪が降る。雪が降ると緑肥は雪の下敷きになりびたーんと地面に押し付けられて平たくなる。それでも寒さに強い緑肥を選んでいるので雪の下で春を待っている。えん麦は冬枯れっていうのがあるらしいけど大丈夫でした。

そして春作トウモロコシへ

春になりあったかくなってくると緑肥は成長し始め、茂っていきます。ある程度大きくなったところでトウモロコシを植えるために枯らしたいところ。海外では不耕起栽培でローラークリンパーなる道具をもって緑肥をなぎ倒し枯らしているようだ。あまり聞かない道具で、調べてみると日本のメーカーでこの道具を生産・販売しているところはないみたい。ないなら作ろうということで、持っていた人力マルチャーと塩ビパイプにL字の金具を取り付けて自作した。このローラークリンパーを管理機にヒッチで取り付け牽引できるように。早速緑肥圃場で走らせ、緑肥をなぎ倒した。直後は倒れてマット状になり良い調子だと思っていたが、数日から一週間ほど経つと倒れた緑肥が再び起き上がってくるではありませんか。どうしようか考えたが、もう一度ローラークリンパーで走り、それで苗を定植することにしてみた。結果は残念なもので植えたトウモロコシが緑肥に負けて全然ダメでした。
これが4月の出来事だったと思います。

夏秋のトウモロコシで再チャレンジ

それからしばらく放置して6月ごろになると緑肥のイタリアンライグラスが成長し穂をつけ、自然に黄色に乾燥、枯れてきました。そのタイミングで再びローラークリンパーで走ってみるときれいに緑肥が倒れてくれて、良いリビングマルチになりました。イタリアンライグラスが自然に枯れていたから当然と言えば当然ですが。
そこで7月にトウモロコシを播種して苗を作り、定植しました。春作とは違い、リビングマルチが雑草をおさえてくれるのに加え、水分の蒸発も抑えてくれてとても都合がよかったです。季節的には台風が来るので風対策は必要で多少倒されましたが、収穫まで何とかたどり着けました。

これからも不耕起+緑肥でやってみる

以上が昨年の様子でダメだったこと、できたことがあり反省して今年に活かしていきます。初めて不耕起と緑肥を組み合わせましたが、とても可能性を感じる経験でした。課題としては春作のトウモロコシを植えるために冬越しの緑肥をどう処理するか、また、最終目標は不耕起緑肥で無肥料栽培トウモロコシを収穫することなので、どう土壌を肥沃にしていくかということがあります。
これからも試行錯誤してより良い農業の形を模索していくのでよろしくお願いします!

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