vol.006 【レポート】大阪市立科学館×大阪中之島美術館 エクスチェンジプログラムvol.5 「デザインと科学技術・複眼で見る家電コレクション」
配信日時:2021年2月11日(木・祝)14:00〜15:30
収録場所:大阪市立科学館
登壇者:嘉数次人(大阪市立科学館学芸課長)、植木啓子(大阪中之島美術館準備室学芸企画担当課長)
2月11日(木)、美術館と科学館の学芸員が同じ家電製品を前にしながら、それぞれの視点で解説を行うという、「ギャラリートーク交流試合」とも言うべき新しい試みを行いました。無観客・オンライン配信のみの形式で、場所は大阪市立科学館。トークの材料は科学館の家電コレクション。登壇者は共に大阪市博物館機構に所属する、大阪中之島美術館準備室の植木啓子と筆者(嘉数)の二人。2022年早春にオープン予定の美術館は、現在科学館の隣で建設が進んでいます。
プログラムは大きく三部構成。第一部では、嘉数が1940~2000年代の炊飯器・ジャーを取り上げながら、さまざまな炊飯方法とその発達を紹介したあと、1950年代に見られたラジオの真空管式からトランジスタ式への移り変わりを紹介しました。
第二部は、植木がまず1970年代の花柄の電子ジャーを前に、花柄家電の誕生秘話、炊飯器と取っ手の関係について紹介し、続いて携帯可能な小型ラジオや電卓を例に、製品の小型化・使いやすさを求めたデザインの多様性を紹介しました。
第三部は対談で、家電を中心とした日本の工業デザインの誕生と黎明期の様子、小型化と科学技術・デザインの関係、1960~70年頃の広告や製品説明書からみた家電の売り方になどを話題にトークを進めました。
デザインと科学技術の「複眼」による今回のトークと対談を通じ、家電製品はデザインと科学技術が不可分に混じり合いながら進化・発達してきたことが浮き彫りになり、今後もっと話を深堀りしたくなる「トークの芽」がたくさん得られたプログラムとなりました。美術館オープンが待ち遠しいです!
レポート執筆:嘉数次人(大阪市立科学館学芸課長)
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(2021.2.15現在)
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クリエイティブアイランド中之島公式ウェブサイト
https://nakanoshimalab.jp/