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サウナレビュー③ SAUNAS(渋谷)

サ道のタナカカツキ氏プロデュースのサウナ施設。相当気合が入っているのが各所のこだわりからヒシヒシと感じられる。LAMPIとWOODSは日替わりで男女入れ替え制となっているので、それぞれのサウナについて記載。

評価:★★★★☆

LAMPI

MUSTA SAUNA

最高のセッティング。らかんの湯のサウナが近いか。10分いるのも辛くないが、5分で既に汗だくになる。温度と湿度のバランスが緻密に計算されていないとこの体感温度は実現できないだろう。

このサウナは本当にクオリティが高く都内でも有数ではないだろうか。こういったサウナがノーマルサウナとして用意されているところにサウナスの奥深さを感じる。

奇を衒った部分が全くないので、コメントとしては特に多くないが、黙って味わってほしいタイプのサウナである。

SOUND SAUNA

音を楽しむということで温度控えめ。音響にこだわったということだが、曲によるものの、個人的には低音がキツすぎる気がした。空間ごと揺らすサウンドというコンセプトで作られているからこそではあるが。

また、流れている曲のコンセプトもわかりやすく、恐らくととのいに向けて登り詰めて行く高揚感とその時の心臓の鼓動を表現したんだろうな…とは感じた。

ただ、アレはととのいに向かっている時だから心地良く感じるのであって、サウナ中に低音を腹までガンガン響かせられると少し落ち着かない感じがした。

KELO SAUNA

定員4人程度のこじんまりとしたサウナ。一番セッティングがブレやすいが、その分ロウリュでコントロールもしやすい。

サウナルーム自体が木造というわけではなく、建築学的に言うと木質内装によりケロ材を利用している。ただ、しっかりと厚めにスライスされており、香りを味わう分には充分とも言えるか。

BED SAUNA

基本的にセルフロウリュだが、BEDSAUNAのみオートロウリュ。定員3名でかなりぬるめ。面白いのは温まりにくい足を上げられるような構造で全身を均一にゆったりと温められるような工夫が成されている。

正直2時間制の頃はこのサウナをチョイスするかというとかなり微妙で、コンセプトは良いが、ビジネス側の思惑とのズレが大きいと感じていた。

ところがどっこい、混雑も落ち着いてきて基本利用時間も伸びた現在なら選択肢に上がるだろう。

ととのい最優先の時に利用するタイプのサウナではなく、サウナ体験で身も心も整えて気分転換したい時に最適。

WOODS

TEETÄ

その名のとおりお茶ロウリュができるサウナ。結構な熱さと感じたが、全体では2番目ぐらいか。löyly用のラドルが大き目なのもあるかもしれない。バランスが最も良いと感じたサウナでサイクルを回すなら最適か。

どちらかというとLAMPIのMUSTAよりもらかんの湯のサウナを意識していると感じるが、構造上かなり熱めとなっているので少し体感は異なるかも知れない。

TUULI

アウフグース用の大きめサウナ。ここが最も熱いサウナで上段以外に座る人も結構いた。アウフギーサーがパフォーマンスしやすいようにスペースが確保されている。

相当な高温サウナとなっているが、ここでのアウフグースは本当に爆温を感じられるだろう。全体的にサウナが熱めに感じたので熱いサウナがお好みであればWOODS側が良いかもしれない。

KELO

こちらはLAMPI側とほぼ同じ。石かコンクリートでできたサウナに細切れのケロ材が貼り付けてあるなんちゃってケロサウナ。温度は60℃を下回っていたのでたっぷりロウリュしてのんびり入るのに最適。ただやはり狭いので人の出入りの度に冷えてしまうため、ロウリュを繰り返す羽目になる。

VIHTA

メディテーション系のサウナで1人ずつ仕切りがある作り。ヴィヒタがたっぷり吊るされており雰囲気は良い。瞑想の邪魔にならないようオートロウリュとなっている。他の施設ではこのタイプのサウナが一番低温なことが多いが、SAUNASの場合はダントツでケロサウナが低温である。

LAMPI側のBED SAUNAよりも遥かに雰囲気が良く、メディテーション目的であればダントツでこちらのサウナを選択するだろう。温度も低すぎず、非常に丁度良いポイントを押さえている。

HAAMA

最もノーマルなサウナで、言い換えると特に特徴はない。オートロウリュでセッティングがブレないタイプの大き目サウナ。MUSTAと対になるサウナのはずだが、あまり印象に残らなかった。

やはり、何だかんだオートロウリュよりもセルフロウリュでしっかりと作り上げられたサウナ空間の方が高みを目指せるクオリティになるのだろうか。不思議なものである。

総評

ととのいスペースは外気浴内気浴共にベンチのみだが、SAUNASの魅力は渋谷駅近の都心で木々に囲まれながら寝転がって外気浴ができるという点だろう。なかなか同様の施設はなく、唯一無二といえるのではないだろうか。

個々のサウナも細部までこだわっていて、ほぼ全てのサウナがロウリュの熱が効率良く回ることを計算して設計されており、セッティングがブレてもすぐにコントロールし直せる。

上記のとおり施設の全体的な雰囲気やサウナのクオリティについては流石といったところ。少しお高めだが一流レストラン監修のクオリティが高いサ飯もいただける。

飲食スペースはコワーキングスペースとしても利用でき、有料だが会議用の個室スペースのレンタルも可能と、施設自体は非常にコンパクトながら必要十分なファシリティが整っている。

唯一、休憩についてはリクライニングチェアなどの用意はされていないので、この点が気にかかる人は多いだろう。スペースの問題もあるだろうが、全体のコンセプトを鑑みるに、“あえて”そうしているのだと感じる。

とくに外気浴スペースは都心とは思えない森林の雰囲気抜群なので、ここに人工的なチェアを置いてしまうと、それがぶち壊しになることを恐れたのだろう。本当に大自然のなかでそのまま寝そべるかのような体験を疑似的に再現することを目指したのかと想像する。
逆にこのコンセプトがハマる人にとっては最高の施設と成りうるだろう。

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