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大好物のカニを韓国の食文化で楽しむ。

うなぎ編からの続き。
同じく大好物のカニを韓国で食べた体験記を残す。

うなぎ、カニ。
我ながら分かりやすい趣味である。




3泊4日の最終夜、3日目の夜にカンジャンケジャンを食べることにしていた。

カンジャンケジャン。
韓国旅行が決まるまでは、それが何をどのように食べるメニューなのか知らなかった。
響きが良いなあ、くらいの情報量。

生のワタリガニを塩と醤油タレに漬け込んで熟成させた韓国料理らしい。
カニは大好物だから楽しみだ。

今回もお店は事前調査済み。
旅行の山場の1つとして楽しみにしていた。

明洞(ミョンドン)エリアに位置するオダリチプという店に行った。

明洞店に行ったところ、改装中なのか準備中なのか、店前に立て看板が。
翻訳アプリを立ち上げる前に、嫌な予感は伝わってきた。
絶望しかけたところ、たまたま店員さんが奥から現れてすぐ近くにあるサボイホテル店へ案内してくれた。
ツキがあってよかった。

Googleマップでは明洞2号店という扱いになっている。
ちょっとした混沌が心地良い。




そんな混沌とは裏腹に、通されたその2号店はホテルのテナントということもあり立派だった。

人気店(だろう)ということで行列対策で17:00過ぎにお店へ行ったら、すぐ席に通してもらえた。
お昼も11時頃に食べ、それも行列を回避出来たので作戦勝ち。

メニューの作りが若干分かりづらかったが、カンジャンケジャン(サイズが5段階くらいある)と焼肉メニューとサイドメニューが順々に書いてある。

Lサイズのカンジャンケジャンと、チャプチェと飲み物を注文。
ここでもビールはCassが出てきた。
栓抜きがなかったので店員さんを呼び止めたら、スプーンで開けるアジアンスタイルで対応してくれた。
手怪我しそうで怖いんだよな、あれ。




注文を済ませてからしばらく待つと、うなぎの時と同じく付け合せシリーズが運ばれたあとにワタリガニが登場した。

ワタリガニ。食材としての完成度が高過ぎる。人に食べられるために存在しているのではないかと錯覚する。

内子の見事なオレンジ色に魅了される。

Lサイズ。2人前。ワタリガニ2杯。ひとつの生き物とは思えないほど彩りが豊かだ。

カニの手の部分はビニール手袋をつけて手に持ち、身を中から押し出して吸うようにして食べる。
最初は苦戦したが、楽しいやら美味しいやら。

一口目は見事なオレンジ色をした内子の、とろみのある芳醇な美味しさを楽しめる。

カニを食べている時に無口になるのは万国共通。
隣のテーブルの女子旅勢も真剣にカニを吸っていた。
そして彼女たちは手際よく吸い尽くして先に入店した我々を置いて颯爽と出ていってしまった。
かっこいい。
カニ吸いのエキスパートたちは旅行の思い出として刻まれている。

我々は不器用に、そして真剣にカニを吸う。

日本ではカニは吸うものではなく、どちらかというとほじるものだが、このカンジャンケジャンにおいてはカニスプーンなどは登場しない。
ビニール手袋、そして己の口先でカニと戯れるのだ。
内子のとろみを楽しんだあとはそのまま身を押し上げ、ちゅるっと吸い上げる。
旨みが脳天に届く速度を感じながら無心にそれを繰り返す。
食事の楽しさを改めて感じられる。
これはアトラクションでの体験に近い。

尚、カニの甲羅部分に関しては別の方法で食べ進めていく。

メニュー上ではわかめご飯と表記されたご飯ものが一緒に提供されるのだが、これは韓国海苔・ごま・とびっこが上にかかったご飯だ。
単品でも美味いやつ。

ビールの左隣にあるのがそのご飯。食べ始めてからは手元が忙しくて写真なし。

このご飯を蟹味噌たっぷりの甲羅に入れて、汁に馴染ませて食べる。
まあとにかく美味しい。

韓国海苔のごま油と、カニの旨みの融合。
それを媒介してくれるご飯。
うんまいよ。

日本で食べるボイルしたズワイガニとはまた異なる、生のカニの良さ。
異なる食文化であっても、やっぱりカニは美味しい。
もともと併せ持っているポテンシャルが素晴らしいし、日本も韓国も余計なことをせずに最小限のアレンジに留めているところも共通している。
素材の良さを活かすには。それを時間経過とともにソリッドに凝縮してきたような趣を感じた。

正直チャプチェの味はそこまで覚えていない。
あの日のワタリガニが全てを持っていった。


XS〜XXLのサイズ展開で中くらいに位置するLサイズということで、腹八分で完食。
Lサイズより大きいものを頼まなくてよかった。
量だけで言えばまだ食べられるが、この素敵なワタリガニと向き合うだけの集中力がもたない。

最後まで集中してカニと対峙したい人には、ここは見栄を張らずにLサイズを選択することを強くお勧めする。
Lサイズで十分。




そういえばチャプチェも食べたんだった。

味付けが大人しめでありがたかった。

油分が良いアクセントになって途中で挟むと口がリセットされてよかった。
味強めの箸休め。斬新。

このオダリチプという店ではカンジャンケジャンだけでなく、焼肉も提供されている。
今回の旅程に焼肉は組み込んでいなかったので、ここでチャプチェを回収できたのはプラス。




うなぎと同じく今回の会計も2人で12000円ほど。
カニを存分に吸うという新体験をできたので、かなりお得だった。
約1時間強のカニとの戯れ。
新しい体験と感動とセットでお腹まで満たせるなんて、なんて贅沢なんだ。




今回も番外編として韓国で飲んだビールを紹介。
といいたいところだが、写真しか記録がない。

ペールエール。

ロング缶で₩3000しないくらいだったはず。

インスタ見つけた。
2002年からあるブルワリーらしい。

ごく普通のペールエールだったが、程よい苦みとしっかりしたコク深さでロング缶でもダレずに飲み終えられた。

明洞は街中にお祭りのように屋台通りがあり、そこでタッカンジョンとフルーツ飴を買ってホテルへ戻った。

フルーツ飴はパターンが異なり、マスカットが多いものを選んだ。

タッカンジョンはヤンニョムチキンに水あめのタレを絡めたような鶏肉料理。
冷めても美味しいので屋台メシに適している。
そしてビールに合う!
トッポギも数個入っており、食感の違いを楽しめた。




韓国旅行、何食べたの?と聞かれてうなぎとカニと答える。
なんで?と聞かれて話すと怪訝な表情から一気に羨ましがられる。

これだけ美味しいのに韓国のうなぎもカンジャンケジャンも私の周りでの知名度はほぼない。
うなぎはゼロ、カンジャンケジャンは10%くらいか。
有名な韓国料理ではあると思うが、それが生のワタリガニを塩と醤油タレに漬け込んで熟成させた韓国料理であることを知ってる人はあまりいない。

是非食べてもらって、感想を共有したい。
食べたことのある人は感想を教えてほしい。

また世界の美味しいものを食べに行きたい。
ドイツとメキシコに行きたい!

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