AmazonによるZOOX買収

Amazonは米国の自動運転開発会社であるZOOXを買収した。

ZOOXとは?

ZOOXは、
所在地:   カリフォルニア州 フォスター
創業者:   Tim Kentley-Klay(アートデザイナー)
       Jesse Levinson(スタンフォード大学で自動運転開発経験)
        Appleの取締役のArthur D. Levinsonの子供
プロジェクト:トヨタのハイランダーをベースとして後付けした自動自動運
       転システムを発表する予定である。
       現在は、カルフォルニア州の一部で試験中である。
となっている。

Amazonの事情

アマゾンは、配送に自動化を取り入れている。
現状の宅配システムに変えて、アマゾン独自のシステムを構築しようとしている。
その一環の買収という側面もあるが、もう一つの面が重要であると思われる。

アマゾンは、通販サイトだけが収入源ではない。
アマゾンの収入には、クラウドレンタルによる収入が含まれている。
そして、自動運転にとってクラウドこそが重要なファクターなのである。
そのために、アマゾンは自動運転の研究を進めようとしている。
つまりは、自動運転は自社の配送に関してのみではなく、クラウドの顧客を増やすことにもなる。

現在、Google及びAppleはAndroid AutoやCar playで自動車産業に入りこんでおり、自動車において両社のクラウドビジネスが伸びている状況である。
それに対して、Amazonは自動車への入り口をGoogleとAppleに抑えられている状況である。
ちょうど、スマートフォンでAmazonのクラウドサービスを用いるようなものである。
現状でのクラウド事業での遅れを挽回する意味で、自動運転が用いるクラウドを制することを目指していると推定される。

Amazonは家庭へのクラウドの入り口としてアレクサを投入しており、自動車へのクラウドの入り口として、ZOOXの自動運転システムを考えているのである。

自動運転とはクラウドビジネス

自動運転というと自動車の技術と考えがちであるが、自動運転はクラウドの技術である。
自動車単体で全ての自動車周辺に存在する危険を検知することは無理であり、道路に設置しているセンサーに頼ることとなる。
路上に設置したカメラやレーダーによって歩行者や自転車や他車両を検知して、それに応じた軌道を設定することが自動運転LEVEL5を実現するためのキーファクターである。
これらのセンサーからのデータを収集して判断するのがクラウドである。
つまり、従来の自動車ではなく、現在のスマートフォンのような利用方法になるのである。
そのようになると、今までの販売をメインとした自動車産業は成り立たなくなるので、自動車をシェアして、必要な時だけ用いる方向に社会は進んでくると推定される。
これが自動運転による産業構造の変革である。

自動車メーカーや部品メーカーもただ座して成り行きを見続けるだけではなく、移動サービス提供会社として生き残ろうとしているのである。
なので、GMなどの自動車メーカーやBoschなどの部品メーカーはデータセンターを構築している。
つまり、自動車製造からクラウドサービス提供に移行しているのである。
現状の自動車産業は、独自のファームウェアを搭載した携帯電話からスマートフォンに移行しようとしている段階なのである。

GoogleやAppleを代表とするクラウドプロバイダーと自動車メーカーや部品メーカーがしのぎを削るビジネスがスタートしているのである。
クラウドプロバイダー大手のアマゾンが、そこに入ろうとしないという選択肢はないのである。

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