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なかのアセットといえば、クオリティ・グロース投資

みなさま、こんにちは。なかのアセット運用部の山本です。
 

長期運用の専門家が育たなかった日本

 新NISA制度が始まるなど、株式投資は国民にとって、随分と身近なものになりました。わたしが証券業界に入ったのは土地バブルの絶頂期1990年でした。わたしのファンドマネジャー歴は1997年に始まりましたが、走馬灯のように時は流れ、運用歴は20年をゆうに超えました。
 
 ただ、日本の運用業界の高度化は遅々として進みませんでした。常々、わたしが残念に思っていたことでした。海外の運用会社であれば、フィデリティと聞けば、それは何といっても成長株投資であり、シュローダーならばバリュー株投資という具合に、運用会社の名前を聞いただけで、その運用スタイルや運用の深みが想起されます。しかしながら、日本の大手の資産運用会社の名前を聞いただけでは、彼らの運用スタイルがまったく想起できないのです。わたしには、それが残念でなりませんでした。
 
 ドジャーズの大谷選手が投打の二刀流で大活躍しています。しかし、これは野球という競技の中での特別な事象なのですが、さすがに大谷選手といえども「野球と物理学」、あるいは、「野球とサッカー」で同じレベルで活躍できる二刀流には挑戦しないでしょう。同じ陸上競技であっても、「短距離とマラソン」で二刀流を目指す選手がいないように、投資において、短期投資と長期投資は似て非となるものです。両者は全く違うもので、たとえるなら「50メートル走とマラソン」ほど違うもので、短期投資と長期投資は全くの別競技といってよいのです。
 
 グロース相場がだめな時期もグロースを貫くことが高く評価される。これが一流の長期投資家たちの評価軸であり、プロとしての人生設計も、自らのスタイルの一貫性の堅持と自ら選んだスタイルの磨き上げにあります。日本では、平気でスタイル・ドリフトを奨励する運用会社のトップが後を絶ちません。スタイル・ドリフトとは、たとえば、バリューとグロースとを安易に切り替える投資家です。いまはバリュー優位だからバリュー投資をしよう。グロースがよくなったらグロースに切り替えよう、とする投資家のことをドリフターズと呼びます。ドリフトは投資家としては軽蔑に値する行為であり、それが絶対にダメなことは、投資をマネーゲームに貶めるリスクをドリフトがはらんでいるからです。ドリフトとは、つまり、当てっこゲームであり、いつか必ず外れます。
 
真のグロース投資はグロース一筋数十年の投資文化の中で花開くものです。もちろん、わたしのこの考えには異論はあるでしょう。そして、「卓球と野球」とで同時に世界一を目指す試みをする運用会社もあります。ですが、それは中日ドラゴンズの選手たちがサッカーで名古屋グランパスエイトに勝ち続けることを目指すぐらい滑稽なことなのですが…
 
投資といえば、短期パフォーマンスに一喜一憂して、長期投資と短期投資との区別がつかないというのが日本の投資業界の抱える深刻な課題です。長期投資には長期投資に適した投資スタイルがあり、そのひとつがクオリティ・グロースのスタイルなのです。

運用部の会議の様子

クオリティ・グロースとは

 これは後々、しっかりと丁寧に解説いたします。いま、簡単に説明しますと、グロースとは業績がいまの数倍に今後の10年以内になることを意味し、クオリティとはその確度が高いことを意味します。つまり、インデックス採用企業を上回る業績の伸びを確度高く選び抜き辛抱強く保有する投資スタイルを意味します。なかのアセットの柱は2つあり、ひとつはクオリティ・グロースであり、もうひとつはエンゲージメントですが、エンゲージメントについては、企業価値の増大への提案活動のことだとご理解ください。エンゲージメントについても、個々の事例を含めて、これからnoteなどで紹介していきます。
 

日本にも、名が体を表す資産運用会社を作りたい

 わたしが所属する、なかのアセットマネジメント株式会社は、積み立て王子こと、中野晴啓(なかのはるひろ)さんがオーナー兼経営者として率いる長期成長株投資に特化した少数精鋭の資産運用会社です。そして、わたしの大望は、「なかのアセット」といえば、長期投資の花形であるクオリティ・グロース投資やエンゲージメント活動を想起してもらえるようになる、ということです。こうした運用高度化の代名詞を中野さんや仲間と一緒に日本に文化として根付かせたいのです。その強い想いを抱き、わたしは、2024年1月、なかのアセットの運用部長に赴任いたしました。
 
 株式運用を高度化し、国民文化に昇華していくことは、なかのアセットの社会的責務のひとつです。わたしたちは短期の株価動向に一喜一憂する態度から一線を画します。そして、確固たる長期展望に基づき、本物の長期投資の在り方を社会に対して提唱していきたいと思います。
 
 国政選挙で政党が政策を国民に提示するように、わたしたちなかのアセット運用部は、その運用スタイルであるクオリティ・グロース投資哲学やプロセスを、秘技や個人的な技量としてではなく、国民への約束として、本コラムにて提示したいと思うのです。運用会社にとって運用スタイルに誠実であることは最も大事なことなのです。
 
 着実に資産形成を促すための最善のツールとして、株式投資を長期的に捉えつつ、このnoteではクオリティ・グロース投資の考えを紹介していきます。
 
 わたしにとっての運用の高度化とは、過去の伝統を重んじつつも、新しい理論を提唱していく営みです。これから、この場をお借りして、一般には馴染みのない配当モデルという理論をこれからの時代に合うように再構築していきたいと思います。よろしくご指導お願いします。
 
運用部長 山本 潤

この記事は情報提供を目的として、なかのアセットマネジメント株式会社によって作成された資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。その結果、購入時の価額を下回ることもあります。また、投資信託は銘柄ごとに設定された信託報酬等の費用がかかります。各投資信託のリスク、費用については投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

商号:なかのアセットマネジメント株式会社(設定・運用を行います)金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第3406号加入協会:一般社団法人投資信託協会