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なかのアセット 晴れ、ときどき台風 (第二回) 「株価とはどうやって出来るのか?」    居林 通

定義から言えば、株価は企業の「価値」を示すものです。 それは、たとえば車の価格が車の「価値」を示しているのと同じです。 しかし、株式の「価格の決まりかた」そして、「株価の変化」がその後、投資家に与える影響というのは、車を買った場合と大きく異なります。 

株式投資の入り口で非常に多くの方が非常に戸惑う点なので、丁寧に解説してゆきたいと思います。

まず、ある株式を買う、となった場合には、基本的にはその企業(A会社としましょう)のその時点の株価は一つです。 東京では1000円で大阪では1100円ということは基本的にありません。 それは、売買注文が証券取引所(多くの場合には東京証券取引所)に集中しており、そこでA企業の株式は売買されているので、車のように他の販売店に行ったら、もっと安くしてくれた、ということはありません。 

つまり、株価はその時の一つの市場価格で買わなければいけません。つまり、株価は市場に参加している株式投資家がその時取引している価格で買う(もしくは売る)と言うことになります。 

さて、A会社の株式を無事に100株買えたとしましょう。 そうすると、次の日には株価は動きます。 ここからが株式投資の魔訶不思議なところです。 次の日の株価が上がるか下がるかは、昨日このA会社の株式を買ったあなたの意思とは「無関係に」動きます。 それがどうして問題になるのでしょうか? それは、あなたが保有している株式の損益に直結するからです。 株価が上がればプラスですし、株価が下がればマイナスです。 株価が上がればうれしいですし、下がれば、何で下がるんだろうと悩むことになります。

株価が次の日以降に上下するのは誰の意思でしょうか? それは、それぞれの日の売買にかかわった一部の売り手(の株主)とそれを買った新規の株主の意思と言うことになります。 さて、A会社の売買は、一日あたり1%程度の株主が売買に参加したとすると、残りの99%の株主の意思はその日の株価に反映されません。 つまり、その日の株価がどんなに大きく動いたとしてもその株価には大多数の株主の意見は反映されていないのです。

にも拘わらず、日々の株価の値動きは「すべての」株主が保有している株式の価値を上下させます。 つまり、日々の株価の値動きは自分が参加していない日々の売買で決定されそれが自分の投資価値を変化させてゆくのです。 これが株式投資における株価変動の大きなポイントと言えます。 つまり、株価は他人が決めるのですが、その価格が自分の投資価値を変化させてしまいます。 ここから株式投資家が持つべき心構えが導き出せると思います。 

第一に、日々の株価の値動きはほんの一部の株主の判断によって形成されているに過ぎず、短期の値動きにあまり大きな意味があると考えない方が良いということです。 第二に、株式投資を行う時には、自分がどう思うのかよりも、他人がどう思いそうなのか、を考える必要があるということです。

 この株価の予測の部分に関しては、奥か深いので、第三回のコラムで、株式価値が何で出来ているのかをお話ししてゆく過程で、説明する予定です。

この記事は情報提供を目的として、なかのアセットマネジメント株式会社によって作成された資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
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