ヒーローの苦悩と葛藤【スパイダーマン(2002年)】
サムライミ監督の2002年版「スパイダーマン」
スパイダーマンは多く映画化されているのだけれど、自分は2002年に制作されたサムライミ監督版の映画をおすすめしたい。
ヒーローの苦悩の部分を描いているので、他のスパイダーマン作品と比べて暗いところがあるからだ。
監督の方針がたぶん、「普通の少年がヒーローになってからの苦悩を撮る」だったのかもしれない。いや少年がヒーローになるまでの悩みと成長の話でもあるか。
もちろんスカッとするシーンも盛り上がりのある展開もある。でも最後のさいごにヴィランを倒しても、それがハッピーエンドとは言えない形ではあるからやはり後味はほの暗いところがある。
物語のなかで解決はしていても、最後に少し残るものがヒーロー映画にしては苦悩に満ちている。
明るくハッピーエンドではなく、人の葛藤が好きな人にはおすすめできるかな。
おすすめポイント
⓵スパイダーマンの衣装が歴代の中で一番いい。
これは完璧に好みの差だが、自分はこの2002年版コスチュームが一番かっこいと思っている。
他のコスチュームでは蜘蛛の巣の部分が黒の単色なのだが、サムライミ監督版では白と黒陰で表現されている。
大きく変更されている点でいえば、象徴的なクモのマークだろう。
他の作品では(と言ってもスパイダーマン作品をすべて網羅しているわけではないけど)クモのフォルムがどちらかと言えば丸みを帯びているのだが、サムライミ版だとシャープな形をしたデザインで見た目がカッコいい。
②MJやハリー・オズボーンがアメコミでのイメージに近い
ヒロインの赤髪のMJが特に自分のアメコミでのイメージに近かった。
アメイジングもホームカミングの方のMJもいいのだが、髪が赤くない。アメコミを読んだ後だと赤髪の印象が強く残っているのでやっぱり、赤がいい。
ハリー・オズボーンもアメコミのイメージに近い。金持ちのボンボン感がでている。
③敵にも葛藤がある
今作のヴィランである、グリーン・ゴブリン。もともとはハリーの父親ノーマン・オズボーンである。
新薬の実験を自分の体で試して、出来てしまった人格がグリーンゴブリン。
そのためグリーンゴブリンの時にしでかした行いなど、本来の人格であるノーマンが心を痛めるシーンなどがあった。
ただ単に悪役という訳ではなく、ヒーローと同じぐらい悩んでヴィランとしての生き方を選ぶ辺りは他の作品と違う気がする。
一番好きなシーンでグリーンゴブリンの人格と鏡を通して、会話するところがある。
二重人格の演技で、鏡に映るグリーンゴブリンの顔と振り返ったときのノーマンの顔の使い分け方に驚いた。
普通にヒーロー映画として、観て面白い名作なのでおススメ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?