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Peaceの箱と、反戦と。

戦争の、間直に感じる時が来てしまっている。そう、いわゆる僕が「ウクライナ・ロシア戦争」(以下、「戦争」と呼びます)と呼ぶ、あの惨状である。

更新した3月4日、ロシアはウクライナ国内もとい世界でも最大級の原子力発電所への攻撃を継続している。幸い原子炉などに直接的なダメージが言ってはいないとの事であるが、万が一そこに被害が出た場合、チェルノブイリ原発事故の約10倍の被害が懸念されるとの事だ。

さて、戦争の開始からわずかであった2月26日のことである。日本のウクライナ大使館は渋谷での反戦デモを行うこととし、Twitter上で参加を呼び掛けた。

私自身、参加せねばならないという心があった。しかし、生憎実家へと帰省してしまっており、参加することが出来なかった。

しかし、後輩であるT君が個人のTwitter上で参加するとのツイートをあげていた。コロナ禍以前から親交があった彼は渋谷へと向かい、一時間ほど参加してきたとの事だった。

その晩、彼から電話がかかってきた。現場の空気についてを一通り報告してくれ、老若男女問わずこのデモに参加した人が数多くいたことを物語ってくれた。

そこで彼からひとつ面白い話を聞けた。

「周りでプラカードなどが上がっているなか、自分が掲げるものがなくてどうしようかと思っていた。ポケットの中を探ったら、(タバコの)ピースの箱があったので、これを掲げたんですよ」

私も、T君も喫煙者である。とりわけピースを好んで吸う、いわゆる「ピース党」である。

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(上記の画像はかなり前の販売開始から70周年を祝したパッケージであるが、ラインナップは今とさほど変わっていないのでご容赦を。)

彼の機転を利かせた行動のうらに、私は平和に対する偶然の一致があると話した。

この「ピース」の歴史は長い。戦争を経て、荒れ果てた日本。その最中の1946年1月13日に公式な発売が行われた。

その直後、都心でこのような長蛇の列ができるほど話題の銘柄となった。これ以降、今に至るまで著名な銘柄として生き残ってきた。

「ピース」の名の由来。それは戦争直後、疲れ切った日本が求めた「夢・希望・平和」の願いを込めたものである。

そして今も残るピースのロゴは、「オリーブの葉を咥えた鳩」。この由来は以下の通りである。

シンボルマークの「オリーブの葉をくわえた鳩」は、旧約聖書『創世記』のノアの方舟で「大洪水が起きた外界の様子を知るために、ノアが方舟の窓から放った鳩が、オリーブの葉をくわえて戻ってきたことで、大洪水が収まり安らぎの大地が近い」と認識して、鳩が平和の象徴となった逸話に由来する。(Wikipedia「ピース(たばこ)」より)


すなわち、安息の大地を告げるオリーブの枝と、この逸話から平和の象徴となった鳩という、究極の平和を暗示するロゴなのである。

平和を求めるデモにおいて、ピースの箱を咄嗟に掲げたT君の機転に、僕は拍手を送りたい。

誰しも、安息の世界を求める。だが、現実は非常であり、闘争や戦争が終わることは無い。だが、理想を掲げて動き続けることは我々にとって必須なのではないだろうか。

それゆえ、彼のピースの箱を掲げた行為、もといデモへの参加、ひいては平和を求める意思を持つということは、この世の中で多かれ少なかれ活きてくる。

どうか、全世界的な反戦・平和を求めるデモやそのほか意思表示を行い続けることで、実体としての戦争に影響を与える事があらんと願って。

この記事が、平和的活動への「一断片」となることを願って。

2022年3月4日


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