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【#ビバラバ】 オンライン観劇をもっとワクワクしてもらうために劇団ノーミーツが仕掛けたコミュニケーションまとめ

こんにちは、劇団ノーミーツでクリエイティブプロデュースをしているなかなです。
2021年2月、サンリオピューロランドと劇団ノーミーツのコラボオンライン演劇「VIVA LA VALENTINE(ビバラバレンタイン)」にプロデューサーとして参加したのですが、熱気も落ち着いてきたところで少し裏側の部分、コミュニケーション施策等を振り返ってまとめてみました!
※サンリオピューロランドさんでの施策など網羅できていないものもありますのでご了承ください。

1)SNSプロローグ映像

情報解禁前からファンの期待感を高め、リリース〜初日までの2ヶ月間いかに話題を絶やさずに興味を持ってもらえるかを起点に企画。ピューロランドさんに全面協力のもと、計16本のプロローグ映像を制作しました。作・演出の岩崎(劇団ノーミーツ)が監督し、PR自体が作品の一部になるような作り方になっています。

登場人物たちが準備する様子を時系列で
Twitterアカウントで作品の「匂わせ投稿」を開始。キャラクターたちが準備する様子を伏線として散りばめています。

▽ツイートまとめ(モーメント)https://twitter.com/i/events/1357306068800475138?s=20

また、劇団ノーミーツのアカウントではキャラクターたちと対峙する登場人物:吉池の様子を同じく時系列で公開。両軸合わせて見せることで、キャラクターだけではなく群像劇としてのイメージも持ってもらえるよう意識しました。

ショーのスポンサー会社の重役である吉池が、サンリオピューロランドに初めて足を運ぶ様子を描く。

2)多様なキービジュアル展開

サンリオの既存ファンに刺さるイメージだけでなく、ノーミーツの取り組みやストーリー自体にも興味を持っていただくためキービジュアルを2種類のトンマナに分けて展開。
ファン向けのビジュアルはノーミーツのアートディレクター(目黒水海)が担当し、新たな側面にも訴求できるような手触り感のあるビジュアルはフォトグラファー永井樹里さんにご依頼しました。

物語は「ショーを準備するキャラクターたちの本番直前1時間」を追った内容。劇中劇としてのショービジュアルと準備の様子を追ったキービジュアルという設定で作り込んでいます。

①公演キービジュアル
過去のピューロランドステージビジュアルとはあえてかけ離れたイメージに。レトロな風味を持った味わいのある写真は、ミニマルな照明と場面を切り取る画力で強く印象に残しています。

ビバラバ_ビジュアル一覧

コピーは作・演出の岩崎が書いたものをベースにチームで議論を重ね、エモーショナルさやテンションにも細かく目を配って制作。


②ショーポスター
メインで彩度の高いショッキングピンクを用い、ゴールドやグリーンをあしらうことで既存の「かわいらしさ」「女の子らしさ」に偏りすぎず、他のバレンタインビジュアルと差別化。

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「本番3日前にスポンサーから急な変更を突きつけられる」というストーリーとも連動して、もう1パターンのポスターも用意。(怒涛の制作物をほぼ一人でこなしてくれた水海さんには頭が上がりません、、、)

スポンサーの意向に沿ってロゴは大きくチョコレートを散りばめ、わかりやすいステレオタイプをビジュアルに落とし込んでもらいました。

3)「いる」という作品テーマを各チャネルで徹底

本作品を制作するなか、チーム内で最も意識していた言葉は「居る(いる)」というキーワードでした。演劇で登場する役者やスタッフと同様に、キャラクターたちも普段からその場所で生活している存在として扱うことを徹底。それが結果的に各チャネルでのアプローチ方法を考える上での軸となり、様々な新しい取り組みが行われたように思います。

・SNS
作品に登場するキャラクターだけでなく、「一緒にピューロランドを支える仲間たちが応援してくれている」という場面を想起させるようなツイートを展開しました。

演劇公演でよく見られる「仲間が本番時に差し入れをする」という様子を切り取った。

また、作品では「キャラクターたちがスタッフとして準備してきたショー」を取り上げたため、その世界観を延長させて観客も一緒にカメラマンスタッフとして参加することをイメージさせるキャンペーンを展開。「#ビバラバ公式カメラマン」は作品のスクリーンショット拡散を促す大きなきっかけとなりました。

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・公演パンフレット

演出家の岩崎とダニエルが対談を行い、スタッフと同様にキャラクターたちも想いを持って作品制作に取り組んでいる様子を丁寧に追っていきます。

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また、逆に登場人物である人間たちをキャラクターとして扱う「紙人形」をおまけページに。シニカルながらコンセプトを体現するもののひとつとして欠かせないページとなりました。

・打ち上げ配信
また、作品のリバイバル公演(アーカイブ生配信)では打ち上げやクイズ大会の様子をコンテンツとして配信。キャラクターとキャストたちが役から離れて【素の自分】に戻った状態でコミュニケーションをする様子は世界観をより強固なものとし、作品だけでなく存在自体が愛される要素のひとつになったのではないかと思います。

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プリン・鈴木コンビへの反響は大きく、リバイバル公演でのクイズでも仲の良さが垣間見えるシーンがあった。


・短編140秒動画
作品自体とは直接関係はありませんが、劇団ノーミーツの十八番としてSNS140秒動画も制作。「ダルい上司」と掛け合わせ、キャラクターもあえて高クオリティのカメラは使わずPCカメラとzoomを使って撮影しました。
こんな上司が出向してきたらサンリオキャラクターたちはどんなふうに会話を繰り広げるのだろうかと想像しながら、私たちが楽しむのと同様にバーチャル背景を使って遊んでいます。

*さいごに* 作品を通して繋がる楽しさ

実はこれらすべては初期段階でプランニングできていたわけではなく、作っていく中で「この要素が必要なのでは」と気づいたことや、実際の反響をみながら「ここが伝わっていないから、もう少しわかりやすく訴求する必要がある」と感じたことをカタチにしていく作業でした。

オンラインコンテンツは基本的に無料で享受できるものが多いなか、「いかに作品(チケット)を購入してもらうか」を頭の片隅に置きながら期待値を高め話題をつくり、【観劇することの体験価値を高める】ことがオンライン演劇プロデュースにおける楽しさの1つでもあります。

▽予告映像

▽本番映像(冒頭11分公開)

ここにまとめた取り組みはあくまでも一部にすぎませんが、劇団ノーミーツチーム及びにピューロランド制作チーム皆様の多大なるご協力があってこそのものになります。特にピューロランド制作チームの方には、このスピード感でフレキシブルにご対応いただいたこと感謝してもしきれません(本当にこの度はありがとうございました!)

あらためて演劇とはチームプレーであり、お客様も含めて広く長く作品を愛していただけましたら幸いです。
そして、このnote で少しでもオンライン演劇(プロデュース)の楽しさが伝わって「やってみたい!」と思ってくれる仲間が増えたら嬉しいなと思っています。(長文、最後までお読みいただきありがとうございました)

※本公演にはプロデューサーが複数名携わっているのですが、わたしは主に企画〜PRクリエイティブ(+パンフレット編集)まわりを担当させていただきました。現場の作品制作は別のプロデューサーにお任せしていたので、このnoteでは詳細省いて記載しております。

#ビバラバレンタイン #劇団ノーミーツ

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