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テレビは見ないけど「CDTVライブ!ライブ!」は今みたい

久々に個人的大ヒット番組があるので、心に任せて書かせてくれ。TBSで今年の3月から始まったライブ音楽番組「CDTVライブ!ライブ!」がめちゃんこ良い。
https://mainichi.jp/articles/20200404/dde/018/200/016000c

2020年の3月。それはコロナ禍で制作自体がストップしている番組も多い時期だったが、アナウンサーの江藤愛さんがツルッツルのお肌と100%ひまわりのような笑顔で曲紹介しながらアーティストが入れ替わりになって歌っている様子を見たときからなぜか私の心は掴まれていた。
自粛要請が出て、思うように娯楽が楽しめなくなった状況はどこか震災後と似ている。こんなとき、テレビは強い。選択する元気すら残っていない私たちの心に自動的に栄養を注入してきてくれる。時として強制的だからこそ気を付けるべきメディアではあるけれど、気力のない人間にとっては点滴のように染みていった。

気がつくとふとテレビをつけたとき「ライブ!ライブ!」がやっていると必ず観るようになっていた。通常音楽番組は1時間であることが多いが、この番組は結構な頻度で3時間スペシャルをしたりするので、それもあってたまたまが重なりやすいのかもしれない。
2000年代に青春を迎えた私にとっての音楽番組は「うたばん」や「Mステ」のようなバラエティ色が強いものだったが、「ライブ!ライブ!」はさすがカウントダウンTVの派生であるがゆえに音楽を奏でることがメインだ。アーティストが長々語ったりしないし、プライベートな話もしない。後ろで聞いているような賑やかしの観客もいないし、中途半端な番組セットもない。
生のバンドを率いて、ただ今このときに必要な音楽を届けてくれる。
そもそも形式自体も「LIVE(生放送)」だし、曲もほとんどがフル尺だ。新曲ばかりをやったりせず、アーティストと製作者が今日この放送時間に届けたいものだけを電波に乗せる。

「ライブ!ライブ!」を観ているときはYoutubeやSNSを開こうという気持ちにあまりならない。他の番組を観ている時は何か手持ち無沙汰になって、他のことをしだしたりするのだけれど、晩ご飯を食べながらテレビに釘付けになっていた子供の頃のように見入ってしまうことがある。そのくらい、この番組が届ける音楽には生感と聞き逃したくない雰囲気が漂っているのだ。それは紛れもなく画面から作り手の想いが伝わってくるからだろう。

もう1つ、この番組について特筆したいことがある。
それはアーティストが積極的に関わるかたちで番組がつくられていることだ。11月30日の放送では福山雅治に3時間中まるっと1時間を渡して「福山さんの好きなようにやってください」とリクエストしている。ゴールデンタイムのテレビ番組でこんなことかつてあっただろうか?つまり、福山雅治の意志で作られた(ほぼ自身のライブのような)ものを、しかもこの番組オリジナルなものを公共の電波で観られるのである。こんなの見逃せるわけがない。某番組を揶揄するわけではないが、過去のライブやPV映像を「今聞きたい春歌」なんて区切って繰り返し聞かせるような総集編番組とは気合の入れ方が違う。絶対こっちのほうが楽しいに決まってる。

私は普段テレビを観ないが、「CDTVライブ!ライブ!」は観たいと思う。
音楽はいまとても手軽に楽しめるようになったけれど、何千何万曲とあるSpotifyの中から自分にレコメンドされるだけの享受では物足りない。
だからこそ番組のキュレーション力は時として心を打つ。ネットは選ぶメディアだし外に出られない私たちをたくさん楽しませてくれたけれど、コロナ禍で失った偶然の出会いを私は今テレビ番組によって受け取っているような気がする。

#CDTV #TBS #ライブライブ

P.S.相変わらずテレビ番組のウェブサイトは番組にかける労力の1%くらい。たぶん観ないと良さわからないから余計書きたくなったんだろうなあ〜。
https://www.tbs.co.jp/cdtv_livelive/

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