怪異蒐集 『𡚴(やまめ)』
■話者:Tさん、組合員、30代
■記述者:八坂亜樹
森林組合に所属するTさんは、日常的に山に入って現状調査や測量を行っている。山ではビニールテープやペンキで木に印がつけられていることがある。多くは林業関係者のものだが、登山者や狩猟関係者のもの、中には一般人がつけた山菜等の目印もある。だが稀に、どれとも判別できないものもあるそうだ。
組合で働き始めて間もないころ、Tさんは測量のために同僚と山に入った。しかし作業を始めてすぐ測量機器が故障してしまい、代替器を取りに事務所に