『期待』にまつわる記憶
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。
私、『期待』というものを考えた時に外せない現象がいくつかありまして。
『スター・ウォーズ』(エピソード4、1977年、日本公開は1978年)のインパクトなどは間違いなくその最たるものの一つです。
と申しますのも。
『事前に抱いた自分の先入観と、実際に観た印象が異なる』という現象が、しかも『好ましい方向で』『凄まじかった』からですね。
当時の私を家族が振り返って曰く、「『何かとんでもなく凄いものを観た』という顔で大興奮していた」というほどです。本人の自覚症状を上回る熱狂ぶりと申しますか。
恐らくこれが『期待を上回る』という現象なのだろうなと、今振り返ってみれば整理もできます。
「予想を裏切れ。期待を裏切るな」とは誰のお言葉だったでありましょうか。
創作する身として深く共感するところ大ですが、あるいは『期待の方向性は大きく外さず、予想の範囲は大きく外す』ということであろうか――などとも思ったり。
そう考えてみれば、なるほど(日本では)事前情報に溢れていた『スター・ウォーズ』には(私の触れた範囲では)『期待すべき方向性が示されていて、なおかつその出来が予想を遥かに上回っていた』という現象が起こったのかもしれません。大ヒットも納得の現象ですね。
ですが制作者側からすれば、そもそも『期待を喚起できるかどうか全くの未知数』だったはずですから、どれほどの胆力で制作に力を注いだものか筆舌に尽くせぬほどであったでしょう。
キャピタル・ゲインと申しますか、ジャンルを起こすほどの先駆者が抱いていたであろう信念に思いを馳せる私なのでした。
よろしけばまたお付き合い下さいませ。
それでは引き続き、よろしくお願いいたします。
(マガジン)
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