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Lyrics #66 月を見上げるウサギを見る私

昨年11月に亡くなられた 伊集院静さんのことは、前に「Lyrics #8 さよならのエッセイ」の前書きで少し触れていましたが、球春到来、プロ野球のキャンプのニュースも連日続き、野球を好きだった伊集院さんのことをまた思い出している。

少し前に断捨離を兼ねて本もかなり整理したが、実用書などを主に処分し、特に気に入った小説などは残すようにした。
伊集院さんの本はかなりあったのだが、数冊は誰に貸したか、不明のまま。
でも野球を書いた『受け月』も残っていて、また少し読み返している。

本も映画も、何もそうかもしれないが、自分が年をとったり時を経ると、感じる中身、作品の奥行きや色合いが違って味わえる。

『受け月』もまたもっと味のある作品に「変わっていた」。

人の出逢いや別離の時間も、時が経てば、気持ちや想いは「変わる」。
何故か些細なことまで思い出す、ということもある。
ときどき訳のわからない昔の自分の夢を見るように、人の脳の中で何を記憶しているのかは、よくわからない・・・。

ちょっと話はそれましたが、今日は伊集院さんの本を読み返しつつ、「月」をキーワードに書いてみた作品を投稿します。



Lyrics #66 月を見上げるウサギを見る私

約束を忘れて 遠くへ行った君と
去年の夏に いっしょに来たね
この里山のレストラン
今日は少しマスターと
君の話をしていたんだよ
寂しげな君しか思いだせず
テラスに腰掛けながら 月を見ていたら
ウサギもじっと空を見て
まるで君のようにそばから離れない
かすかにもれるピアノを聴きながら
その月を写してみたの


儚い恋を君と 分かち合えたことを
ここに来るたび 不思議に感じてる
君はこれからどうするの
その言葉にうつ向いて
沈黙を数える鈴虫の
その鳴き声が耳に残ってる
今ここで月を見上げるウサギのように
君はじっと空を見て
何を想っていたのかと募る想い
写真の月を君の色にして
君に贈る絵を描いたの


君はこれからどうするの
その言葉にうつ向いて
月を見上げるウサギのように
君はじっと空を見て
何を想っていたのかと募る想い

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