見出し画像

養成所卒業まで。お笑い芸人になるには⑤

「お笑い芸人になるには」のタイトルで、やってきましたが、今回で一度締めたいと思います。

さあ、「お笑い養成所の卒業」というのは、どういうものなのでしょうか?

一言で言って

「学校とほぼ同じです」

学校は成績は悪くても、出席日数が足りていればまあ卒業できますよね?

養成所もそんな感じです。

ただ、私の行っていた養成所で違うのは「卒業公演に出演すること」

という項目がありました。

「卒業公演」というのは、各、授業で選ばれたコンビや生徒が出演できるお笑いライブの事で3月に行われ、一年の集大成のイベントです。

前の記事にも書きましたがお笑い養成所の授業には、ネタ見せ、発声、演技、ダンスなどの授業があります。

そのクラスの中で、講師が良い思った生徒は、「選抜クラス」という特別クラスの授業を受けることができます。

少人数で、直接の指導を受けられて、卒業まで選抜クラスに居続ける事が出来れば、芸人になった際にほかの生徒より優遇がされることもあります。

選抜クラスにいることができれば、ほぼほぼ卒業は可能です。

全体の生徒数は500~600人いますから、そのなかの選抜クラスのメンバーは1割程度です。

このままでは、他の生徒たちは「お笑い浪人」になってしまいます。


しかし、NSCもそこまで鬼ではありません。

選抜に入れない生徒には、各クラスで再度「卒業公演にでるための補欠オーディション」が行われます。

そこで、必要になってくるのが「出席日数」です。

出席日数が足りていないと、その授業の補欠枠に加わることもできません。

そのため、卒業の条件が発表されると、今まで「ネタ見せ」しか出てなかった生徒も躍起になって、授業を受けに行きます。

私も補欠オーディションで、出演の切符を手にしました。

僕の友達も出演できました、その友達も、その友達も・・・

いろいろあって選抜クラスに入った奴以外だいたい卒業公演に出れました。

「卒業公演に出れなかったら、芸人になれない」と不安な気持ちを抱えていましたが、最後は大甘査定で肩透かしを食らったような感じでした。


私は、ダンスクラスの補欠で選ばれました。

ダンスクラスは、卒業公演の最後が出番で締めの位置にありました。

選抜クラスの生徒たちは舞台でダンスを披露しますが、補欠は会場の客席通路で盛り上げ役としてダンスをします。

そう、僕の集大成は、サンパチマイクの前でもなく、舞台の上でもなく、客席で声をあげて会場を盛り上げるモブと立ち位置で終わりを告げました。


正直、思い残すこともなく、感動もなく、「とりあえず、これで芸人になれる」とホッとしたことを良く覚えています。

一年間NSCに通ってましたが、今となってはいい経験でした、そして何よりその後の人生に思った事は「話の話題として、相手の興味を引くことがかなり強いコンテンツ」だったなと思います。

社会人になって、「元芸人です」「NSC行ってました」と自己紹介をすると、高確率で「一発ギャグやって」「面白いこといって」っと言われて殺意を覚えたことも多々ありましたが、その後の関係として「芸人」だったという相手の認識で導入の会話の一つとなり、そこから会話が生まれたり、相手のほうから質問が出てきたり、好意的に思われる事が多かったです。


さあ、5回にわたってやってきました、「お笑い芸人になるまで」

「今、また芸人やりますか?」と聞かれたら

「絶対にやりません」とすぐ返しますが、これからお笑い芸人になろうとしている人、なろうか悩んでいる人、将来その道に進もうと思っている人、


やめたほうがいいです、落語家を目指しましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?