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日本の『エンサイオ・テクニコ』

エンサイオ・テクニコって?

えんさいお?
てくにこ??
ってなんだ???

聞きなれない言葉ですよね…

ポルトガル語でエンサイオ(Ensaio)はリハーサル、テクニコ(Tecnico)は技術。エンサイオ・テクニコは、カーニバル前にサンボードロモ(Sambódromo)と呼ばれるカーニバル会場で行う公式リハーサルのことなんです。ブラジルでは、カーニバルの約1カ月前から数回のエンサイオ・テクニコが行われ、本番同様の動線での総合的なリハーサルが行われます。

2022年のサンパウロ Gaviões da Fiel のエンサイオ・テクニコの映像をみてみましょう。先頭のコミサン・ヂ・フレンチ(Comissāo de Frente)から始まる全体の流れがよくわかります。


もうひとつ、2022年リオTuiutiのエンサイオ・テクニコ。バテリアにフォーカスした映像です。日本でも人気の Mst Markinhos の姿も見えますね。プリンセーザ・ダ・バテリア(Princesa da Bateria)の Mayara Lima のサンバノぺや、アーラ・ヂ・パシスタ(Ala das Passistas)も少しだけ映っています。 


カーニバル専用の施設─サンボードロモ(Sambódromo)は、上記の動画でもわかるように、パレードコースを囲む両脇に観客席が取り囲むような構造になっています。リオデジャネイロやサンパウロをはじめとするブラジル各地にはこのようなカーニバル専用の施設があるんです。

日本ではなかなか難しいよね…

馬道通りから雷門通りへ。約800メートルのパレードコースを進む浅草サンバカーニバル。一年かけて準備したわたしたちの晴れ舞台。最もココロ躍る瞬間です。
公道を仕切ってパレードする浅草サンバカーニバル。本番と同じコースでの公式リハーサル=エンサイオ・テクニコの実施は現実的ではありませんでした。
一方で浅草サンバカーニバルに出場するチームの多くは例年、騒音問題や近年の酷暑・ゲリラ豪雨などもあり、カーニバルのためのリハーサル場所を確保するのにとても苦労していました。

そんな中、千束通り商店街でサンバをやってみないか、と浅草サンバカーニバル実行委員会さんからAESA(※1)にお声がけいただいたのが2017年。千束通り商店街は、奥浅草のゆったりした時間が流れる全長1200メートルにも及ぶ個性豊かな商店街。 

!!!
浅草サンバカーニバルと同じ距離のパレードコースが確保できる!!?
うれしすぎる~!!

ものすごくざっくりいうとこんな流れで(実際にはたくさんのアツい思いを乗せて!)2017年から千束通り納涼大会に、浅草サンバカーニバルの公開リハーサルとして多くのチームが参加する『エンサイオ・テクニコ』を併催する形になったのです。

千束通り納涼大会で、浅草サンバカーニバルの『エンサイオ・テクニコ』を開催できた2017~19の3年間。
暑さの中での行進しながらの演奏やダンス、前に進みながらのフォーメーションの確認、50分間のペース配分、隊列中のグループ同士の間隔調整、水分補給のタイミング等々、本番を想定したパレードの始まりです!

↓2019年 仲見世バルバロスのエンサイオ・テクニコの様子


2022年第46回千束通り納涼大会

長引くコロナ禍により、浅草サンバカーニバルは3年連続の延期が決まり、それに伴い「公開リハーサル」という位置づけであったテクニコも中止。さらには日本全国でのイベント全般の自粛ムードが続く中、どこのチームも出演機会が激減し、サンバから離れていくメンバーもいたりという時期を経験してきました。

2022年。まだ年が明けたばかりの1月、なんとか少しでも出演機会を確保出来ないかと、千束通り納涼大会でのサンバを復活させるためにAESAが動いてくれました。
感染症・熱中症対策や、密を避けての控室確保という必要性もあり、今年は2チームのみ、出演人数にも上限を設ける、パレードではなくステージ形式、ということが決まり、参加希望チームが集まっての厳正な抽選により、今回はサウーヂとバルバロスが当選。2022年8月7日第46回千束通り納涼大会で、短い時間ではありますが、サンバパフォーマンスを披露させていただきました。サウーヂさんとのコラボもとっても楽しかった! 
またたくさんのチームで千束通り商店街に帰って来られる日が来ることを祈りながら!

千束通り商店街様、浅草サンバカーニバル実行委員会様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!

2022年8月7日 第46回千束通り納涼大会終演後 サウーヂさんと


※1 AESA=浅草エスコーラ・ヂ・サンバ協会
浅草サンバカーニバル1部リーグ所属サンバチームで構成する団体

イベントの模様は、仲見世バルバロスのinstagramでもご紹介していますので、ぜひご覧ください!


文・構成/吉江雅子
with 上條嶽  金成千納


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