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雨のマテリアル 20240628

今日は梅雨らしい雨の日だった。
華金のなかめとはいえども、さすがに夜の街への人の出は落ち着いていた。

なかめの夜の煌々とした光は、雨の日には殊更存在感を増す。
雨に濡れたアスファルトは常時よりも光を強く反射している。

2024/06/28 撮影

その"マテリアル感"は足の裏でも感じる。
滑りやすくなった地面の上を歩く時、普段は感じていなかった地面を強く意識してしまう。
あるいは、足早に駅へと向かうサラリーマンが転びそうになるのを見て、いずれ踏む地面の摩擦係数を想像する。

単に水は表面を覆うだけなので、地面の素材の物性自体が大きく変化しているわけではない。
しかしながら、水が媒介するだけで明らかに街のマテリアルの感じ方は変わってしまう。

話は逸れるが、ソールライターの有名な作品で、雨に濡れた窓越しに通行人を写したものや、雨の道路を写したものがあった気がする。
彼も、雨が顕在化させる物質性に興味を持っていたのだろうか。

雨を効果的に使った映像作品も少なくないし、雨には何か人を惹きつける要素がある。
翻って、雨と街とマテリアルを扱ったような都市論はあまり見かけない。
何故だろう。

これから雨が降るたびに"雨の都市論"を更新していきたい。

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