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【和訳】Gang Starr - Family and Loyalty ft. J Cole-

Gang StarrはDJ PremierとGuruからなる伝説的なヒップホップデュオ。僕がヒップホップを聴き始めた時にはすでにレジェンドだったので、そんな彼らが2019年に、しかも現行シーンのGOATの一人であるJ Coleが入って曲が出てきたのは驚きです。Guruは10年前に他界しており、Gang Starr名義の作品は16年ぶりとのこと。この曲が出た後、Nasが「Gang Starrのアルバムが出る!」とアナウンスしたこともあり、俄然注目が集まっていますね。Coleもこの曲が去年から積極的に行ってきた一連のコラボの最後になる、と発言したことも話題になりました。

この曲は「仲間、ヒップホップクラシック、家族」など、「永遠に輝き続け色褪せないもの」をダイヤモンドに例えていく、といった内容。


Guruのラップはもちろんカッコ良いのですが、J Coleのリリックはいつにも増して力強く、美しく、それでいて穏やかな印象で。フローも非常に洗練されていて、とても聴きごたえがあります。イントロでMC Lyteが入っているのも渋い。素晴らしい一曲です。

[Intro: MC Lyte]


Like a freshly cut diamond
まるでみずみずしくカットされたダイヤモンドのように

Like a freshly cut diamond
まるでみずみずしくカットされたダイヤモンドのように

[Chorus: Guru & MC Lyte]

Diamonds are forever like family and loyalty
ダイヤモンドは家族と忠誠心のように永遠

Or real rap songs like "C.R.E.A.M." or "My Melody"
或いは、CREAMやMy Melodyみたいな本物のラップソングみたいに永遠なんだ

Diamonds are forever like my infinite thought
ダイヤモンドは俺の無限の思考の如く永遠さ

Like respect in the hood that can't be bought
まるで金じゃ買えないフッドの中のリスペクトみたいに。

Diamonds are forever like family and loyalty
ダイヤモンドは家族と忠誠心のように永遠

Or real rap songs like "C.R.E.A.M." or "My Melody"
或いは、CREAMやMy Melodyみたいな本物のラップソングみたいに永遠なんだ

*ここは最も注目を浴びたラインですね。Wu-tang ClanのC.R.E.A.MとEric B&RakimのMy Melodyを引き合いに出して、ヒップホップクラシックは永遠に輝き続けると。昔から聴いている人は感涙ものかもしれませんね。

Diamonds are forever like my infinite thought
ダイヤモンドは俺の無限の思考の如く永遠さ

Like respect in the hood that can't be bought
まるで金じゃ買えないフッドの中のリスペクトみたいに

Word up, diamonds
ワードアップ!ダイヤモンド

[Verse 1: Guru & Dres]

Diamonds are forever like friends that'll kill for you
ダイヤモンドはお前の為に殺人すら厭わない仲間のように永遠なんだ

Went up in a jewelry store, burglary, steal for you
宝飾店に向かいジュエリーを強盗する。お前の為に盗みを働くような仲間のことさ。

Bill with you, split the diamond into ice blue
お前と一緒にウィードを吸って、ダイヤモンドをアイスブルーになるように分割カットするのさ

Thrice he tried to disrespect our kinship, I don't like you
あの野郎は俺の親族(=仲間?)を何度もディスリスペクトしようとしてきやがった。お前のことは好きじゃねえな。

And now you axed out the fam'
そしてお前はファミリーを傷つけた。

But I'm cashin' checks, with Premier on this jam
だが俺はプレミアと共に金を稼ぎまくってる、このジャムに乗っかってさ

Robin Leach, interviews on the beach
ロビンリーチにビーチでインタビューを受けたんだぜ *

*ロビン・リーチは著名なリポーター

When we shake hands, nothin' but ice on the reach,
俺たちが握手したとき、そこにあったのはアイス(ダイヤとビーチなので冷え冷えの氷がかかってる?自信無し)だけさ。

and I teach Like the Rap Reverend Ike without the
そして俺はラップ界のパーマのかかっていないアイク牧師みたいに教えを説くのさ。

perm', I preach
俺は教えを説くんだ。

There's more you need to learn, I return for my streets
ここにはもっと学ぶべきことがある、俺は地元のストリートの為に帰ってきた

Gainin' my wealth, trainin' myself
冨を得て、自分自身を鍛え込んでるんだ

For corny confrontation with haters who be playin' themselves
無理して粋がってるヘイター共とのしょうもない争いのためにな

Diamonds, I like my world of rap
ダイヤモンドさ、俺は俺の作り上げたラップの世界が好きなのさ。

Your rhymin', hah, it's like a world of crap
お前のライミング? ハハ、それはゴミで埋め尽くされた世界じゃねえのか?

And a diamond is like a fly-ass girl that's strapped
そしてダイヤモンドは銃で武装しためちゃくちゃイケてる女みたいなもんさ、

And you can't beat that with a bat
お前はバットを使ったってこいつを打ち負かすことはできないのさ

[Verse 2: J. Cole]

Diamonds (Diamonds), diamonds (Diamonds), yeah
ダイヤモンド、ダイヤモンド、ダイヤモンド…

Pick up the pen, write down a sin, it's cleanse
ペンを持って、罪を書き綴る。これは浄化さ。

Lay that shit down, play it for friends
武器は捨てて、仲間たちのためにやるんだ。

Make a few M's, then do it again
何百万ドルか稼いだら・・・そしたらまたもう一度やるだけさ。

J. Cole, who'd've thought you would've been rhymin' with Ghost
J.Coleがゴーストとライミングするなんて誰も思わなかっただろう?

Guru flows forever like a diamond
Guruは永遠にフローするんだ、ダイヤモンドのようにな。

The most could never afford the precious jewels
殆どのやつは高価なジュエリーを買うことなんて難しいだろうな

That's precisely why I'm blessin' you with clear-cut messages
これこそが、まさしく俺がこの鮮やかに切り取られたメッセージでお前らを祝福する理由なのさ。

I'm destined to invest in urban sections where depression rules
この憂鬱で支配された都会のために尽力するよう、俺は運命づけられたんだ。

I hope to heal the destitute before I leave this vestibule
俺はここを出ていく前に、貧しい人たちを癒やしたいと願ってる。

Between the heavens and the seven circles
天国と、7つの円の狭間

Where some dead homies maybe rest, I plan to resurrect a few
先に逝ってしまったホーミーたちが眠りについているであろう場所で、

I press the truth against the neck of devils
俺はデビルたちの首に対して、真実を押すんだ

Look at the youth just like a precious pebble
若い奴らをみてみろよ、まるで希少な水晶のようだろう

Meant to be protected, mentally we let this
彼らを保護してあげなければいけない。

Poison of Western philosophy make it sloppy
西洋哲学の毒が、状況をおかしくしちまってるのさ

We forgot we are the chosen
俺たちは俺たちが選ばれしものであることを忘れてしまった。

From hip-hop to astronomy, they copy what we showed them
ヒップホップから天文学まで、奴らは俺らが見せたものをコピーしやがる

Niggas be talkin' slick, but only try me over modems
あいつらは適当なことを言ってくるけど、俺に対して攻撃できるのも(インターネットの)モデムの上での話さ。

モデム、つまりインターネット上のSNSでしか口撃できないだろう、と。

In person they starstruck, they hearts flutter
実際にあったら、奴らは有名人に憧れるだけさ。心臓をバクバクさせてさ。

I'm like the realest one you ever met
俺が今までに会った中で最もリアルなやつみたいに言うんだろ?

If you don't feel this one, give it a sec'
もしお前がこれを聞いてなにもフィールできないなら、ちょっと待ってろよ。

Go live a little, let the years pass
もう少し生きて、何年か経つのを待ってみるんだ

Experience pain, watch the tears crash on to the floor
痛みを経験して、床に落ちて弾ける涙の粒を見つめる

Hurt brings wisdom
痛みは賢さをもたらすのさ

Wisdom brings a whole 'nother sort of understandin
賢さは全く別の類の理解をもたらしてくれる
'
Diamonds only worth what we demandin', uh, uh
ダイヤモンドは人がそれを求めた時にのみ価値を持つんだ

And niggas payin' top-dollar
そしてラッパーたちは金に糸目をつけない

Once upon a time I paid a 100 for mine, now I'm a lot smarter
昔の話だけどな、俺は自分自信の為に多額の金を使ったんだ。でも俺は今じゃ遥かに賢くなったんだぜ

*Coleは金やジュエリーではなく、深く考えて、正しい行いができるようになる賢さを得ることこそが本当に重要だと言っていますね。過去の自分がそうではなかったことも隠さずにラップすることで、自身が成長したことを誇りに思っているんだと思います。

[Verse 3: Guru]

I rock diamonds that cut glass out of window panes
俺は窓ガラスを切り裂くようなダイヤモンドを身に着けてる

Baldhead Slick blazing tracks when the indo's flame
ボールドヘッドスリックはマリファナを燃やしながらトラックの上で燃えたぎってるぜ!*

*Baldhead Slickは直訳すると「坊主頭のイケてるやつ」みたいな感じでしょうか。Guruの愛称というか、aka的な感じですね。「Baldhead Slick & da Click」はGuruの1stソロアルバムです。

Rocks that bling, rocks that make them jock my team
ブリンブリンをばっちり決めて、筋肉隆々な輩を従えるんだ。

Rocks that shine, rocks that keep my hand on my nine
宝石を身に着けて、いつだって手には拳銃を忍ばせてる

Rocks that blind, make the High Rocks drop down
目が見えない奴らだってロックしてやるぜ。ハイロックス(イギリスの岩場エリアの地名?)の岩を落としてやるぜ!

*shineとblindと逆の意味の言葉で対比させたラインだと思います。昔ながらの手法。rockをいくつかの意味で使って重ねる手法もオールドスクール感があります。ラップスタァ誕生でもYellow Bucksが「貧乏人」と「銀行員」でライムしてK Dubに褒められていましたのを思い出しました。彼も「馬鹿」を色んな意味で使って重ねていましたね。Yellow Bucksが昔からのラップファンに愛されるのはこの辺のライミング手法がオールドスクールっぽいからかもしれないですね。余談です。

One of a kind, niggas best jet from the spot when I cock mine
俺はオリジナルさ、俺が銃をぶっ放すとき、お前らはここから逃げた方がいいぜ。

Diamonds are like your man you always call fam'
ダイアモンドはいつだって「ファミリー」って呼べるような仲間のことだ

Diamonds are like your grandma you always call ma'am
ダイヤモンドはいつだって敬っている、祖母のようなもの

Diamonds are like having the whole world in your hand
ダイヤモンドは全世界を手の中に収めているようなものなのさ

Diamonds are like the shows I ripped with no band
ダイヤモンドはまるでバンドなしで俺がぶちかましたショーケースみたいなもの

Rockin' your knot, stoppin' your plot
お前らの集まりを全部ロックしてやるのさ。だから策略なんか立てるのは止めておきな。

It's me, Baldhead Slick Duke, coppin' your block
俺様の登場だぜ、ボールドヘッドスリック公爵がお前らのブロックまでぶちかましに来たぜ。

For you it's only pain, for me it's only gain
こいつは、お前にとっては痛みでしかなく、俺にとっては得るものしかない。

Diamonds are like loyalty, iced out like royalty
ダイヤモンドは忠誠心のようなもの、俺は王族のように煌びやかに装うのさ

Diamonds are like my wifey, so sweet the way she spoils me
ダイヤモンドは俺のオンナみたいなもんさ。とても甘美に、俺を骨抜きにするのさ。

(So good)
(最高だぜ)

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