施設にいた過去を人に打ち明ける

【この記事は過去に音声配信したものを文字起こししたものです。音声でもお楽しみいただけます。】


どーも!児童養護施設出身のシンガーソングライターの中西健です。

今回は「施設にいたことを周りに言うかどうか」についてお話させていただきます。

僕はいろんな児童養護施設にいた人と話すことが多いです。

その中で話題にやっぱり上がってくるのが「施設にいたことをまわりにいうかどうか」なんですよね。

先日久しぶりに同じ施設にいた人と連絡を取り合っていて、改めてこのテーマについて考えたことがあったのでお話しようと思います。

「寮に住んでる」と言っていた。

僕の場合は基本的には今はオープンです。高校の時は、いちいち説明するのもめんどくさかったし、いろんな偏見を生むのも嫌だったので「寮に住んでる」と言ってました。周りは気づいてましたが、、

年を重ねるうちにそんなことは気にしなくなって今は初対面の人でもオープンに言ってます。

僕の場合はそうでしたが、やっぱり施設にいたことを隠す人も多いです。

やっぱり施設にいたというだけで、嫌なことを言われたりだとか嫌なことされたりという不安もあるでしょうし、実際そういうことをされたという話も聞きます。ほんとにいろんな人がいると思います。

はれものののように扱われるのが嫌だ

最近、施設にいたことを周りに話さない理由として、とある人から聞いたのは、施設にいたことを話すことで変に気を使われたり、はれもののように扱われるのが嫌だそうで、

例えば「がんばってきたなあ」と言われると、心の底から「全然がんばってないのになあ」と感じるそうです。そういうことを言われると申し訳ない気持ちになるそうで、なんとなくわかるなと思いました。

施設にいたかどうかを周りに話すときに、僕が思うのは最初に打ち明けた人がどんな反応だったか、が重要だと思います。

周りがそれに対して否定的なことをいう人たちばっかりだったら大人になってもなかなか言いにくいでしょう。

幸いにも僕の場合、施設にいたことを打ち明けたことによって嫌なことされたりというのはなくて、むしろ「お前が施設にいたとか関係あらへんで」と言ってくれる人たちもいて、いい人に巡り合えたなあと思ってます。

やっぱりそうでない人もいて、まだまだ打ち明けにくい世の中だなと思います。

人によっては施設にいたことを言われても、自分の人生と比べてしまって、不幸自慢みたいにきこえちゃう人もいるでしょうし、「俺の方が苦労してるわー」っていう人もいます。

そんな人もいれば、逆に「がんばれよ」って言ってくれる人もいます。

施設にいたことを打ち明けやすい世の中に

施設にいたことを打ち明けやすい社会ってどうしたらなっていくんでしょうね。

みんな知らないから怖い、施設とひとくちにいっても世の中にはいろんな施設があって、人によっては「悪いことしてはいったんかな」とか「なにか問題があって入ったのかな」と思っちゃう人もいると思います。

これは施設に入ってる人だけに限った話ではなくで、やっぱり僕らは目の前にいる人に対して、今よりも過去でその人を判断しているんでしょうね。

例えば、フェイスブックで誰かとつながったときも相手の過去の記事をさかのぼってその人を判断する。それがいけないというわけではないですが、、

僕はなるべくその人を判断するときに「過去」ではなく「今」を見て判断するようにしています。

みんなが、こうして相手の「過去」ではなく「今」に目を向けることができれば、少しは打ち明けやすい世の中になっていくのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?