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小型焙煎機aillio BULLET R1 V2体験焙煎

【NAKAJIにailio BULLET 導入】


NAKAJI焙煎所ではプロダクトロースト(商品用の焙煎)はオランダ製の焙煎機GIESEN W1を使用しています。W1は最大で2㎏のコーヒー生豆を投入して焙煎することができます。そしてミニマムは生豆100g投入で焙煎できるためNAKAJIはサンプルロースターを使うことはないのですが、NAKAJIの焙煎通信講座を受講されている方をはじめaillio BULLET R1 V2(生豆1.25㎏まで投入可の焙煎機)を所有される方が増えてきました。それに加えて開業を考えてみえる方からの相談をNAKAJIが受けることも増えてきたこともあり細かなアドバイスを送れるようになるためにも焙煎所に実機を設置することにしました。

導入元はaillioの正規代理店ノーザンコマーシャル社です。同社はNAKAJIが一番初めに購入した焙煎機DIEDRICH IR5からお世話になっているメーカーで現在使用しているGIESEN W1も同社から導入して現在もメンテナンスなどお世話になっています。

aillio BULLET R1 V2(以下「R1」)は生豆最大投入量1.25㎏、つまり焙煎豆に換算すると1㎏のコーヒー豆を焙煎することができます。熱源は電気で単相200vの電源が必要となります。100v電源しかない場合は電気工事をするか変圧器を使用することになりますがこの辺りは設備の専門家(代理店)に確認をしていただくのがよいと思います。

【aillio BULLETの実力】

aillio BULLET R1 V2

ここで気になるのはR1の実力ではないでしょうか。R1の導入を検討されている方は「これから自家焙煎珈琲店を始めたい」または飲食店をやっている方が「コーヒーも自店オリジナルのものを出したい」と考えている方ではないかと思います。R1焙煎量は1㎏、価格は54万円ほどとなると並行して考えているのはディスカバリー(熱源ガス、生豆MAX250g)、R101(熱源ガス、生豆MAX1㎏いける?)をはじめインターネットで検索すればいくつかヒットするような焙煎機ではないかと思います。

他の焙煎機は操作したことがああるので使い勝手などはある程度把握しているので所感を述べることはできますが、そこは今回の目的ではないためR1についてのみ記載していきたいと思います。

<設置のしやすさ>
R1は重量17.5㎏なので一人で抱えて移動させられます。置くスペースは奥行き80㎝、幅40㎝のスペースがあれば置くことができます。熱源は電気なのでコンセントがあればどこでも設置することができます。ただし、排気の設置もしなければならないので排気しやすい場所の近くに設置することになります。これは焙煎する以上どんな焙煎機を設置しても避けられないことなので已むを得ないところだと思います。

ガスを使用することがない焙煎機なので事前に代理店からの説明を聞いておきさえすれば設置自体はサポートを必要とすることなく一人でやることが十分に可能です。

<操作のしやすさ>
R1の操作は
①火力操作(9段階)
②ブロアー操作(9段階)
③ドラムの回転操作(9段階)
ととてもシンプルです。NAKAJIが使用しているGIESENは火力0%~100%、ブロアー80Pa~130Pa(操作自体は130Pa以上いきますが使用していません)ドラムの回転40Hz~60Hzでどれも1刻みで操作できるためとても緻密な操作により繊細な味の表現はできるものの、焙煎しはじめの方にはなかなか操作しづらい焙煎機といえます。そのため各項目が9段階のR1はほどよく細かい操作ができるため焙煎に慣れていない方でも幅のある味づくりができると思います。

<仕上がる味の傾向>
コーヒーの焙煎とはコーヒー生豆を加熱することで味づくりをするものです。そのため加熱の仕方などで味をコントロールすることが可能となります。そして焙煎機の構造により特異な味づくりというものが出てきます。R1を操作してみて感じたのは「フレーバーを活かしたクリーンな味わいに仕上げるのが得意な焙煎機だ」ということです。そのためエチオピアの独特のフレーバーを表現したい。アナエロビックの風味を表現したい。ゲイシャ種のフレーバーを表現したい。という方には特におすすめできるのではないかと思います。

<メンテナンス>
焙煎機は焙煎するごとにチャフと呼ばれるものが排出されます。どんな焙煎機にも良質な焙煎ができるようにこまめな手入れ、メンテナンスが欠かせません。GIESENも定期的に分解してパーツごときれいに磨き上げています。同様にR1も手入れをするのですが、コンパクトなだけあってやりやすいです。ただしチャフコレクターといって焙煎中に出たチャフを集める部分がコンパクトなためここはこまめに取り出しをする必要があります。それでもコンパクトなのでそれほど手間な作業ではありませんから「〇バッチ焙煎したらチャフを廃棄する」と決めておけばよいと思います。

※「バッチ」とは焙煎する回数のことを指します。
1バッチ・・・1回焙煎する という意味

<まとめ>
NAKAJIはこれまでDIEDRICH (5㎏、25㎏)、GESEN (W1、W6)、PROBAT(12㎏)、LORING SMARTROASTER(S15、S35)、STRONG HOLD、フジローヤル(1㎏、3㎏、5㎏)、ディスカバリーなどの焙煎機を操作してきて感じることは
・設置しやすい
・メンテナンスがしやすい
・フレーバーを活かしたクリーンなコーヒーに仕上げることができる
・価格も焙煎機としては手が出しやすい
ということです。手鍋、手網、カセットコンロを使った焙煎機から一歩先に進みたいと思ってみえる方には一度検討してみてもよい焙煎機ではないかと思います。

軽井沢にあるNAKAJI焙煎所ではaillio BULLET R1 V2の焙煎体験をしていただけます。毎週月、水、土(要予約)で開催していますのでインスタグラム、twitterなどSNSのDMからお問い合わせ、お申込みをしてください。



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