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ここ近年の保育施設での取り組み

・前橋市私立保育園園長連絡協議会と行っているアーティスト派遣事業(仮)の取り組みが上毛新聞(2月14日付に掲載されました。
園児の五感 芸術共同制作で刺激 前橋の5保育園 県内若手を派遣
上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/culture/193243
Yahooニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200214-00010001-jomo-l10&fbclid=IwAR0f7RRVITFb45m35dXhEFIBaS9uhsvLC7pBrRBnugTwY_gSLhXX1I_S-9g
・まえばしこども園の親子ワークショップの様子が朝日新聞群馬版(2月2日付)に掲載されました。
「ないから作る」、新聞紙使ってみて 前橋で園児
https://www.asahi.com/articles/ASN107RGWN10UHNB017.html

上毛新聞の取材があったのは昨年11月でしたが2月の掲載になり、たまたま立て続けに新聞への掲載がありました。上毛新聞の写真はすごくわざとらしい格好で写っていますが、これは不安定な構造物から手を離した瞬間の写真です…笑!

表題になっている「イタリアの教育法参考に」という部分は事実とはニュアンスが異なるので、少し補足をしたいと思います。(取材時も否定したつもりなのですが。)
イタリアの教育法というのは記事にもあるレッジョエミリア市で50年に渡って行われているレッジョエミリアアプローチというもので、アトリエリスタの資格認定を受けた芸術の専門家が保育施設に駐在し、アトリエで子どもたちと対話的な活動を行うものです。それを参考に地元近隣のアーティストやダンサーを芸術士として認定し、保育施設に派遣する事業を行っているのが高知県高松市の芸術士派遣事業です。レッジョエミリアの現地には行けていませんが、資料を呼んだり関連のシンポジウムを聞いたりしていますし、高松市の芸術士派遣事業は現地で視察をしました。あくまでその程度ではありますが、自分なりに情報を見聞きした上で、前橋で行っている本事業では、アーティストが"アーティスト"であることにこだわっています。つまり、アーティストが保育士に変わってアトリエリスタや芸術士として保育室で活動するのではなく、保育の現場をアーティスト活動の場/表現の場にできるかということを考えて活動をつくっています。なので参考にした部分も少なからずあるのは事実ですが、それらの前例を批評的に捉えています。園児の五感が刺激できるかどうか、というのは活動の目的ではありませんが、刺激されているなら喜ばしいことです。園に突然やってきた"アーティスト活動”をどのように保育の質向上に役立てていけるか、は保育現場への問いかけです。
ではここでの僕個人の活動の目的は何か、というと、ここ数年の活動の関心は既存のルールや人々の思い込みにあります。それぞれの園での活動を通じて、その園のコードが書き換えることで、子どもたちや保育士、または保護者の皆さんの行動が変化していくことに大きな関心を抱いています。

取材のあった相愛館というこども園でも、活動を始めた当初には、子どもたちが発案した二階建ての馬車に実際に子どもたちが乗ってみる、なんてことは考えられないことだったと思います。活動を継続する中で、子どもたちとともに過ごす大人、つまり保育士や園長先生たちの考えが少しずつ変化し、場やモノの使い方やルール、その捉え方が変容していった結果として、このような少し大胆な活動もできるようになりました。
この園では昨夏、前橋市のアーティスト牛嶋直子さんの滞在制作を行ったりと、活動の幅が格段に広がっており、その実績と前例をひっさげて来年度も活動園が増える予定です。法人化、まで行き着けるかは不明ですが、来年度一緒に活動をつくってくれるアーティストたちの活動が、子ども騙しのお土産づくりワークショップにならないように、分かりにくいと言われる現代アートだからこそ、丁寧に、説明を尽くすということが、私生活を含めて35歳の目標になるかと思います。

(facebookへの投稿を加筆・修正しました。)

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