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誰かの友人かファンになれても両方にはなれない

世界18カ国で刊行されたベストセラー「サードドア」には、18歳の何者でもない少年がビル・ゲイツやレディー・ガガ、スティーブ・ウォズニアックなど著名人にあらゆる方法を駆使してインタビューをし、成功の秘訣を聞き出すまでの様子が描かれている。

人生、ビジネス、成功。これれはどれもナイトクラブみたいなもので、常に3つの入り口が用意されている。

ファーストドアは正面入り口だ。入れるかどうか気を揉みながら長い行列に並んでいる。いつ自分の番が来るのか分からないが、99%の人がこの長蛇の列に並ぶ。

セカンドドアはVIP専用入り口だ。億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。

この本のメインテーマ、サードドアは、行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に必ずある。と著者は言う。ビル・ゲイツが初めてソフトウェアを販売できたのも、スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、……みんな、サードドアをこじ開けたからなんだ、と。

431ページに及ぶ分厚いこの本には、持たざる者が成功を手に入れるために一番大切は「一歩を踏み出す勇気」が描かれている。「勇気」なんて使うと薄っぺらいと思うかもしれないが、結局のところ成功に一番大切なのは頭の良さでも実家の太さでもなく、何回断られてもバカにされても勝てるまで続ける勇気なんだ、ということがよく分かる良書だった。

この本で一番印象に残ったセリフがある。それはこの記事のタイトルにも使った「誰かの友人かファンになれても両方にはなれない」というセリフだ。個人的にもこの言葉にはウンウンと頷くポイントがあった。

尊敬する人は誰にだっているだろう。その距離感は様々で、例えばビル・ゲイツや孫正義みたいにほとんど会うことが不可能な人もいれば、スティーブ・ジョブズや坂本龍馬みたいに既に亡くなって物理的に会えない人もいる。一方で活躍してる経営者だったり、同世代で活躍してる人であれば、何かの繋がりで会うことは不可能じゃない。誰だって何かのご縁で憧れていた人にうっかり会えた、なんて経験はあるだろう。

サードドアでは主人公である著者のアレックス・バナヤンは、ご縁の連鎖で会えるはずがなかった著名人との対面のインタビューのチャンスを掴んでいく。その中で仲良くなった起業家エリオットに「誰かの友人かファンになれても両方にはなれない」とアドバイスされた。これは初めからファンとして会いに行ったら、この先ずっとファンとして一段低いステージから彼らの姿を眺めるだけで、同じステージで対等に語り合える関係にはなれない、というエリオットのメッセージだった。

この法則は僕たち誰にでも当てはまるものだと思う。さっき触れたように憧れの人に何かのご縁でうっかり会えたとき、「いつも見てます」とか「ファンです」とかの一言で会話を始めると、言われた側はファンと接するというマインドで関係を認識してしまう。ファンを蔑ろにはできないから優しく会話してくれるかもしれないけど、それ以上に親密にはなれない。なぜならファンはあくまでファンで、ビジネス上では愛想を振りまかなくてはいけないけど、プライベートまで関わる必要はないからだ。故にファンであり友達でもあるという関係は両立し得ない。

対芸能人ならそれでもいいかもしれないが、もっとこの人と仲良くなっていろんなことを学びたいとか、友達になりたいと思っていた場合には機会損失になってしまう。

サードドアのアレックスはファンのままで終わらないために、著名人と会う際には自分がなぜインタビューを始めたのか、インタビューにかかる費用をどうやって工面したのか(このエピソードが面白いのでぜひ本を読んでみてほしい)を相手に話した。するとそれを聞いた著名人は「この子はただのファンではなくて情熱を持って活動している面白い若者だ」と興味を持つようになる。僕らでもこれはできるはずだ。同じことをすればいいからだ。

尊敬する人に会えたとき、ただ会って感謝を伝えるだけでなく、自分がやってきたことを伝えて、面白いと思ってもらえるようにプレゼンする。運が良ければ友達になれるかもしれない。そんなの無理だよと思うかもしれないけど、僕自身、自分の活動を伝えることでただのファンで終わらず友達になれた経験が数多くあった。せっかくの機会を棒に振らないためにも、このマインドは大切だと思ったのでこの記事を書いてみた。大前提として、自信を持って自分がしてきたことを語れるようになってないといけないのだけど。そこは頑張るしかない。

ファーストドア、セカンドドア、サードドアの話に戻ろう。巷で話題のオンラインサロンでは、インターネットの世界で活躍する著名人と一緒に事業を作ったり相談に乗ってもらえたりする。一見するとこれは勇気を持って行動して開いたサードドアに思えるかもしれない。しかしそれは違う。オンラインサロンはあくまで99%の人間が並ぶファーストドアだ。お金を払えば誰でも入れるのだから、努力の結果でも何でもない。あくまでお金を払ってくれる客として迎え入れられているだけで、退会してしまえば関係は途切れる。オンラインサロンに入っても友達にはなれない。あくまでファンでしかない。真に友好な関係はお金で得るものではないのだ。

ただのファンのままでいいのか、それとも対等に語り合える友人になりたいのか。あなたはどちらがいいだろうか。サードドアは誰だって開けることができる。少しの勇気さえあれば。巡ってきたチャンスを逃さないためにも、常に準備をしておこう。

それでは素敵な1日を。




最強になるために生きています。大学4年生です。年間400万PVのブログからnoteに移行しました。InstagramもTwitterも毎日更新中!