ボドゲすんのやめてもらっていいですか

僕はボドゲが嫌いだ。大事なことなのでもう1回言おう。僕はボドゲが嫌いである。理由は簡単。

シンプルにめちゃめちゃ弱いからだ。

今までカタンやドミニオンやコヨーテなどいろんなボドゲをやってきた。しかし、僕が勝ったことは一度たりとてない。そう、シンプルに僕はボドゲがめちゃめちゃに弱いのだ。

そもそも、いつまで経ってもルールが覚えられない。カタンも何回かやったけど、どんなに説明してもらってもルールが覚えられない。いや、もちろんその場で説明してもらえれば理解できる。その場では。でも家に帰ればカタンのルールなんて頭の外に飛んでいってしまうから、またやるとなると一から理解しなくてはいけない。

人狼のルールもいまだに覚えられない。人狼以外に何の役割があるのかも全く頭に浮かばない。何だったっけ、霊媒師だっけ、魔法使いだっけ、エクソシストだっけ......こんな調子だから人狼に参加しても、そもそも自分のキャラがどんな役目を持つかすら理解できないから、いつも速攻で吊し上げられるかなんかして一瞬でゲームが終わる。

だいたい、人狼ってボドゲなのかよ。ボードはどこに行ったんだよ。謎は深まるばかりだ。

そもそも、なぜ仲の良い友達で集まってわざわざボドゲをするんだろう。

語れよ！！！

ボドゲなんかしなくても、みんなで語りたいこととか無限にあるだろ！話したいことたくさんあるのに、何でボドゲに時間を割かなくちゃいけないんだよ。

気のおけない友人とリラックスして話せるのが楽しいからみんなで集まるのに、何でそこで頭をフル回転させないと勝てないボドゲをするんだよ。なんで「こいつ狼なのに嘘ついてるんじゃないか？」って疑わないといけないんだよ。頭を空っぽにさせてくれよ。俺はみんなと話がしたいんだ。

しかしそんな僕の叫びも虚しく、必ず誰かが言い始める。

「みんなでカタンやんね？」

あの〜、ボドゲすんのやめてもらっていいですか。

僕の中のひろゆきが声を上げる。みんなで楽しく話してるのに、なんでカタンなんてすんねん。カタンしか勝たんだと？は？やかましいわ。

ほら、ほら。いるじゃん。ルール分からない人がたくさん。で、ルール説明に時間使うじゃん。この時間、いる？せっかく今くつろいでるのにどうして頭使わないといけないのさ。

こうしてボドゲの魔力に抗えないまま、闇のゲームが始まる。そしてボドゲ弱者の僕は真っ先に瞬殺される。いつもそうさ。人狼をやったときも。「あれ？俺って占い師らしいけど、これ何すんの？え？え？」

よく分からないままスマホを回され、友達を疑い、指名し、吊し上げる。大抵、一発目に吊し上げられるのは僕だった。どうも挙動不審に見えて怪しいらしい。

いや、それ挙動不審ちゃうねん。シンプルにルールがよく分かってないんよ。だいたい占い師ってなんだよ。占い師ごときが狼人間に何ができるっているんだよ......

こうして早々に敗退した僕は、みんなが楽しそうに盛り上がる横で一人、スマホと戯れるしかないのであった。

う〜ん、やっぱり友達といるときにボドゲをする必要性が全然分からない。初対面の人が多くて会話のきっかけになるからするってのは分かるけど、既に仲良い友達が多いのにわざわざボドゲをやる意味はどこにあるんだろう。絶対ボドゲするより話してた方が楽しいと思うんだけどなあ。

それでもボドゲ人気は根強い。今日もどこかでカタンが、ドミニオンが、人狼が、枯山水が、ナンジャモンジャが、ウボンゴが開かれる。もはやボードなんてどこにもないのにボドゲと言い張る正体不明のゲームが催される。平穏な集まりは、殺伐とした仁義なき戦いに変わり、弱者は輪から追い出される。僕に残された道は、開き直ってボドゲを楽しめるよう強くなるか、俺は一生ボドゲやらないキャラでボドゲの誘いが来ないようにするか、どっちかしかない。うーん、人生って難しい。

楽しいっちゃ楽しいんだけどね、でもみんなでいるのにやる意味はやっぱりまだ分からないかな。

今日もボドゲとの戦いは続く。それでは素敵な1日を。