2021年7月25日(日) 小山田問題
佑陽 小山田さんの問題なんですけど、僕は「それはそれこれはこれ」という考えの持ち主で、創作において、創作物と作者の人物像は別のことだと考えてるんです。
――はい。確かご著書にも書いていましたね。
佑陽 仮に差別的な発言を過去にしたことがある人であっても、その表現自体が差別的でなければ別に問題ないという考え方なんです。だから、過去に小山田さんがいじめを語っていたとしても、僕個人としては、別にオリンピックの音楽をやってくれても全然構わないし、特に反感も感じません。だって、それは別のことだから。……でも、そう考える僕の方がずっと少数派で、分けて考えられない人の方がずっと多いということもよくわかっています。
――作者の顔も含めて作品というか、なかなか切り離せないものですからね。
佑陽 「小山田さんのような過去のある人がオリンピックに携わるのべきじゃない。ふさわしくない」という意見が出るのもわかります。そのような過去があるとわかった上で、あえて小山田さんを使う必要もないですから。別の人を選び直しましょうってことなら、それはそれでいいんです。それに対しても反対はしません。僕は小山田さんじゃダメだという意見は一切ありませんが、小山田さんでいくべきだという意見でもないんです。そもそも小山田さんという人の音楽を聴いたことがないです。まあ、街で流れているのを知らずに耳にしているかもしれないけど、小山田さんの曲として聴いてはいないです。まあ、とにかく、僕のような人間が少数で、世間からの反発の声が大きければ、小山田さんが辞めるという流れになるのも当然で、それは「なるべくしてなったな」という感じなんです。
――「なるべくしてなった」……。
佑陽 まあ、他人事というか、傍観者的な言い方ですけど、そうやって、世の中は適当なところに落ち着くものです。僕も炎上騒ぎになってるのをみて、小山田さんに「辞めたらいいじゃん。このまま続けても辛いことばかりだよ。オリンピックだけが仕事じゃないんだし……」と言いたい気持ちでした。で、実際小山田さんは辞任を表明したんです。まあ、なるべくしてなったと思いました。これで終わればよかったんです。「この人はオリンピックにはふさわしくないので、解任して別の人にします」で終わり。ただそれだけの話で終わってくれればいいと、僕としては思うんですけど、なんか、どうにも世間はそれで収まらなくて、あちこち燃え広がっちゃってて……。
――そうですね。小林賢太郎さんも辞めることになって、それを擁護する意見もあれば、その擁護に対して批判する意見もあったり……。
佑陽 「小山田は悪だ。擁護することも許されない」という流れができてしまって、爆笑問題の太田さんも、サンジャポ内で擁護するような発言をしたということで炎上さわぎになって、そのあたりをラジオの『爆笑問題カーボーイ』でもじっくり語ってたんです。太田さんは、雑誌のインタビューだけを根拠に小山田さんを悪と決めつけることの危険性と、もし仮に小山田さんが悪人だとしても、裁くのは法であって、人ではないということを話していました。その通りだと僕も思います。明日そのあたりの話をもう少ししたいです。
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